こちら、ドワーフ・プラネット

　「ララバイ」　

今日の夢　
明日の風車
ひとすじの風が
めぐりめぐる
星はきのうのきのう
ずっと前から
丸い夜だった。
　
唄を抱いて
旅していた
夕べの月よ
忘れないでおくれ
虹色のかすかな記憶
星はめぐる　夢の彼方
知っているのは
明日が来るということだけ。

   （ジオログ2010.8.6 より再掲載）

『ふぅのちいさな旅』の
ラストで部分的に使った詩……
連載を書き始めた、かなり早くから
ふぅの結末はこの詩でいく！と、
決めていました、理由はなんとなく……
第一話めの齋藤ナオさんの絵で、
ふぅちゃんが動物と一緒に、
星のような球体に座っているのを見て、
あ、この世界観ならば…と。

もともとは、学生時代にさかのぼり、
宮澤賢治好きな文学仲間で発行していた
『ポラーノ』という
手作りのコピー誌に載せた作品……
２５年近く昔、手書きの文字とイラストで。

当時から賢治の詩や童話が大好きで、
難解・意味不明といわれる(^_^;
文章を書いてました。
この詩も、不安げなイラスト付きの
自分でも意味不明な部類……
ララバイ（子守唄）って、語源的には
魔女リリスが来るよ、早く眠りなさい♪
って不安を煽る唄だった、のだとか……
でも後に、ポエマーな夫が
珍しくイイネとほめてくれましたので、
大切にしていた作品でした。

思えば、私の学生時代は
チェルノブイリ事故の衝撃から、
人間の傲慢を悲しみ、
万物の命の連鎖を一貫して描く
賢治の宇宙観・科学観に魅せられた人々が、
川の流れのように出会っては、
語り合う空気がありました。
風来坊な友人たち……
元気でいるかな？

この詩も、どこか風来坊っぽい……
めぐりめぐって、よもや
元気ッズ！の「ふぅちゃん」が、
震災や福島原発事故がらみで語られる日が
来てしまうとは（泣）

その上、我ながら不思議なのですが、
２５年ほど昔の、書いた当時より、
今の方が、すっきり胸に落ちる……

今日の夢、明日の風車……
ここ、自然エネルギーっぽくて良いな～☆
なんて、作者（自分）びっくりの拡大解釈をしてみる……