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ファンタジーや神話、子どもの本について等、

のんびり書き記したブログのアーカイブです。

 

月曜から日曜まで、『日常』は、太陽系の7惑星。

そのはざまに浮かぶ、『矮惑星』のような、

夢見がちな時間の記録として。

 

 

ホームページ「黎明のほのかな翼」

 

も、どうぞよろしく☆

 

 

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CATEGORY: (考察) 吹雪士郎くん

 

 

TITLE: 冬がくると思い出す君、夏にまた会える

CATEGORY: (考察) 吹雪士郎くん DATE: 12/09/2016 11:45:11


久しぶりに、吹雪士郎くん。
アニメ「イナズマ・イレブン」に登場する
サッカー小僧さん。(*^-^*)

自分がこれほど萌え上がったキャラは、
後にも先にも、もう現れないんじゃないかと予感します。
キャラ萌えのあまり、
このブログも吹雪士郎ブログになりかけた黒歴史……('◇')ゞ
(ヤフーブログに移管される前のジオログ期に……)
雪原のプリンスです、熊殺しの士郎です。
萌え萌えです、後悔はしていません。('◇')ゞ

ポエムも書きまして、今もひっそり置いてあります。
キャラ萌えポエムと明記せず
よくわからない妖精さんポエムに擬態しておりまする。(*^-^*)
ポエムのイラストに吹雪くん使おうかとも思ったのですが、
なんとなく思いとどまりました……

ものすごくお暇な方は下記リンクより、どぞ……('◇')ゞ


(少年 二編)

(雪 二編)


来年7月公開予定の「イナズマイレブン・アレスの天秤」
レベルファイブ新作アニメの予告を覗いてきましたら、
吹雪くんも新設定で再登場します。

シリアス要素がきれいに払拭されて、
ゆったり和み系のキャラになっちゃうのかな……
それはそれで楽しみ?……かも。(*^-^*)

来年の夏には、また吹雪くんに会える~☆(*^▽^*)


ちなみに只今、社協ボランティア関連から御依頼のあった
2頭身キャラってものを試作中なのですが、
世間にあふれている2頭身キャラや
グッズのクオリティの高さを実感しますデス……(;'∀')





 

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TITLE: 冬至の日に

CATEGORY: (考察) 吹雪士郎くん DATE: 12/22/2015 17:13:47


幼稚園の終業式があり、
園長先生から、
一足早いクリスマスケーキを頂きました。
もうすぐイヴですね。
ちょっと早いですが、
Be bright & happy ☆
良い冬をお過ごしくださいますよう……(^^♪



冬はやっぱり
吹雪士郎くん……(^^♪

イナズマイレブンなつかしい。
あのミヤノマモル・ボイスで
「メリークリスマス!」とか
ふわふわ語ってほしいなぁ。



 

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TITLE: (暴走)吹雪士郎くん

CATEGORY: (考察) 吹雪士郎くん DATE: 02/12/2011 17:59:37





竹宮恵子さん画の
「カーディ」
(本名は、コンラッド王子)
を眺めるうち、
スケッチブックを手に取り、
突発的に描いた

「妖精さん・・・
(の衣装を着た、アツヤっぽい吹雪士郎くん)」

似てないな~

温厚な性格で
言葉も優しいけれど、
その実、大胆不敵で荒っぽく・・・
茶目っ気もあるダーク・ヒーロー☆

妄想が暴走して、困ったもんですね・・・



 

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TITLE: (考察)イナズマイレブン・吹雪士郎くん(その6)

CATEGORY: (考察) 吹雪士郎くん DATE: 11/28/2010 01:52:53




( アニメ『脅威の侵略者編』 を中心にして)
・・・雪原の皇子(プリンス)・・・

久しぶりに、
 吹雪くん☆
アニメに登場した
 ばかりの
 無邪気な笑顔・・・

ニコッと
 優しげな微笑みと
「よろしくね!」
 の一言で
世界中と握手
 できそうな
  王子様・・・
   かと思いきや

『脅威の侵略者編』を通じて
ヘビィな心理劇を独演する
「ハムレット君」だったとは。

王子様って、メルヘンタッチな
おとぎの国の世継ぎばかりとは、
限らないもんね・・・

北の国の悩める若き勇者、
本音を語らない、複雑な性格、
毒舌だったり軽口をたたいたり、
とても魅力的になれるのに
他人を寄せつけない、クールな雰囲気・・・

もし吹雪くんが役者だったら、
士郎とアツヤの、ふたつの表情を使い分けて
プリンス・ハムレットを演じてほしいナ~
きっと似合うと思うんだけれど。

・・・でも、複雑すぎる吹雪くんよりも、
やっぱり、おっとり笑顔の吹雪くんが素敵・・・

アツヤの人格を統合した、現在進行形の
ポジティブ吹雪くんが、
すくすく成長して、元気に活躍する展開を
祈っています♪



 

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TITLE: アクセス・カウンター

CATEGORY: (考察) 吹雪士郎くん DATE: 11/20/2010 10:31:18

ジオログを書き始めて、3か月半。
せっかく備わっている機能なら使ってみるべし、と
10月から、アクセス・カウンターを設定しました。

そうしたら、自分以外にアクセスして下さる方が
毎日いらっしゃる☆ と、とても励みになり、
三日坊主で投げ出さず、ちょこちょこ更新できました。

拙ブログを御覧下さいまして、ありがとうございます。 m(_ _)m
また、コメントをお寄せ下さり、ありがとうございます。m(_ _)m

カウンター設置して、面白いこともありました。

10日ほど前、一晩で30件ものアクセスがあって
とても驚きました・・・水曜の夜の怪?
これは、その理由の想像・・・
「考察・吹雪士郎くん」という記事を続けて書き、
グーグルの「吹雪士郎」で検索すると、しばらくその記事が
1ページ目に表示されていたことがありました。
アクセス数が増えたのは、この時期に一致。
水曜の夜に放送されるアニメ「イナズマイレブン」を観たファンが、
見慣れない「吹雪士郎」ブログに、アクセスしてくれたのかな・・・

一瞬、邪念がよぎりまして
「そうか、人気キャラについて長文ブログを書き続ければ、
不特定多数の読者に、喜んでもらえる内容になるのか・・・」
「このまま、吹雪士郎くんブログにしてしまおうか」
と思ったのですが、軌道修正・・・

既成作品のキャラについて語ったり、詩っぽいものを書くのは、
とても楽しく、イメージがふくらみ、いつまでも
その世界で遊んでいたい・・・竜宮城の浦島太郎みたいに。

でも、それは誰かが夜も寝ないで、苦労して創り上げた世界・・・

ファンタジーや童話の創作を、あきらめないのならば、
やっぱり自分の日々の暮らし、そこで感じて考えることの中から、
言葉を探していくことが、今、足元にある道なんだろうな。

と、思い直し、仕切り直し。
「イナズマイレブン・吹雪士郎ブログ」の方向は、やっぱヤメトク。
(でも、アニメやゲームの2次創作に打ち込む人々の気持ちが、
ちょっとわかった気がする・・・)

今週は、「ふぅのちいさな旅」の5話目まで、(一応)書いて
山川印刷さんに送付・・・ブログがお留守になりました。
ほんとに短いストーリーでも、すらっとは書けない自分・・・
一歩ずつなんだ、きっと。
弾けないピアノを練習するのと、同じことなんだと思う。



 

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TITLE: (考察)イナズマイレブン・吹雪士郎くん(その5)

CATEGORY: (考察) 吹雪士郎くん DATE: 10/30/2010 00:00:00

(アニメ『脅威の侵略者編』を中心にして)
・・聞こえる、ボールから、みんなの声が・・

「氷のストライカー」吹雪士郎に、「涙は禁物」?
キャラの演出上、クールさが売り、ですから・・・

第59話で、豪炎寺に思いっきり突き放された、吹雪くん。
まるで吹雪くんの代わりに、雨雲や雷鳴が叫んでいるような、
胸の痛む場面でした。
でもそれに続く、描かれていない情景として、雷雨に打たれ
ひとり涙を流す吹雪くんの像が、私の目に、浮かんでは消え・・・
豪炎寺が背を向け、立ち去ったのも、そっとしておく優しさだった、
と思われてなりません。

吹雪くんには、とても必要だった、
偽らない感情を吐き出す時間、静かに自分を見つめる時間が・・・
イナズマキャラバンは、吹雪くんに、その時間を与えました。
ただひたすら、仲間として・・・

第61話、ベンチで、苦戦する仲間を見つめる吹雪くんは、もはや
血気にはやるアツヤでも、微笑んでチームを鼓舞する士郎でもなく。
雪崩事故を凝視したまま、凍てついた、あの幼い瞳で
・・・暗闇にうずくまる少年の瞳で、世界を見つめていました。
吹雪くんには、時の流れが止まってしまった、この暗闇からしか
踏みだすべき、どんな一歩も見つからなかったのです。

無力さの極みにいるようですが、このとき、
方位磁針の針が、ぴたりと静止して、現在地を示すように
吹雪くんは、本当のスタート地点に立っていた、と私は思います。
無力さを知りながら、闇の中でも立った・・・その姿勢こそ
彼自身も知らずにいた、吹雪くんの本当の強さなのだ、と。
「監督、ぼくを試合に出してください。
 ぼくは、みんなの役に立ちたいんです」

「こい、お前の答えは、グラウンドでしか見つからない」(豪炎寺)
「・・・大丈夫さ、あいつなら。吹雪は、自分で決めて
  グラウンドに戻ってきた。オレ達にできることは、
 あいつにボールをつなげることだ」(円堂守)

仲間のまなざしに包まれて、吹雪くんは、プレーに戻りました。
けれど、DFもFWも完璧にこなし、チームに役立とうとする、
あの強いこだわりに、まだ縛られたままです。
「ぼくは、この試合で完璧になる。
 みんなのためにも、ならなくちゃならないんだ」
吹雪くんが「ならなくちゃならない」と、ガンジガラメのときは、
失敗するのが常・・・そして、やっぱり。
「ぼくのプレーが全然通用しない。完璧にならなきゃいけないのに」

偽らない現在地(闇にうずくまる少年)を示した、方位磁針の針は、
とても感じやすく、未来にも過去にも、ゆれ動きます。
完璧になれない自分を責め、とめどなく落ち込む吹雪くん・・・
仲間がつないだパスを受け止められず、立ち尽くします。

試合中の情けない顔も、ワンマンプレーに走っていた頃を思えば、
なんだか可愛いな~(不謹慎) けれども
豪炎寺は、許しませんでした。場外に転がったボールを
思いっきり、吹雪くんのお腹に蹴り込みます。
これは・・・痛い。
くの字の体勢で、ボールとともにぶっ飛ばされた吹雪くん、
情けなさも、クライマックスです。

「豪炎寺くん・・・」
「本気のプレーで失敗するならいい。だが、
 やる気のないプレーだけは、絶対に許さない。
 お前には、聞こえないのか、あの声が」
「声? 声なんて・・・」
試合再開、豪炎寺にうながされて目で追った、ボールの行方。
体を張って、ひとつのボールを奪い合い、パスをつなぐ・・・
スピードを追求していた頃の吹雪くんには、見えず聞こえなかった
仲間たちの息使い。
闘っていたのは、吹雪くんだけでは、ありませんでした。

吹雪くんが、みんなの役に立ち、助けたかったように、
みんなも、吹雪くんを心配し、助けになりたいと願っていたのです。
キャプテン円堂からの渾身のパスが、
吹雪くんの、胸に届きました。円堂の信念は
「オレは、みんなを信じている。言葉でわからないなら、
 プレーで伝えるしかない」

「聞こえる、ボールから、みんなの声が・・・」
チームから届けられたボールは、
吹雪くんの心の扉を開ける、光そのものでした。
暗闇に差し込む、金色の春の陽光にも似た・・・
「みんなの想いが込められたボール・・・みんなの」
吹雪くんは、肌身はなさず身につけていたマフラーを、はずします。
試合中でも、南国でも、いつも首に巻いていた白いマフラーは、
弟アツヤの形見でした。

「そういうことだったんだね、父さん・・・
 完璧になるっていうのは、ぼくがアツヤになることじゃない。
 仲間と一緒に闘うこと、ひとつになることなんだ」
「そうだ、兄貴は、もうひとりじゃない」
アツヤの声が、耳に響きます。
試合のさなか、吹雪くんは微笑みます。蹴り上げたボールと一緒に
軽々と跳躍し・・・そして
アツヤの想いとともに、吹雪くんが、再び地に足を着けたとき、
その足元にはサッカーボール、瞳にはゴールを目指す強い輝きが
ありました・・・

方位磁針は、未来を指しました。
蹴り上げられたボールのように、どこまでも真っ直ぐ。



 

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TITLE: (考察)イナズマイレブン・吹雪士郎くん(その4)

CATEGORY: (考察) 吹雪士郎くん DATE: 10/27/2010 14:53:36

・・・サッカーボールが結んだ絆・・・

「蛇の道は蛇」ということわざがありますが、
悩んでいる吹雪くんを客観的に理解し、励ましたのは、
彼と同じ、素質と能力を持つFW選手達でした。

「昨日の敵は、今日の友」的に登場し、
イナズマキャラバンの危機を救った「アフロディ(通称)」は、
味方チームに活路を開くため、相手方の猛攻を一身に受け、
ひどいダメージから入院します。けれど見舞った円堂守に対し、
アフロディは、自己犠牲的な感傷にひたることもなく、
超然とした笑顔で「ぼくも、まだまだだね」と、言ってのけます。

自分にしか出来ない、自分なら出来るかもしれない・・・
ならば、チームの勝利のために、傷ついても試みるだけだ・・・

何度失敗し、泥にまみれても(美しい容姿とは裏腹に)
タフな闘志を失わず、他者の敵意・無理解とて意に介しません。
このアフロディの姿勢を支えるのは、高いプライドと実力です。
吹雪くんは、病院にアフロディを訪ねて、たった一言
「すごいね、君」

無力感の底にいる吹雪くんに対して、
アフロディは、プレーヤーとして無言のエールを送り
それは、憧れとともに、吹雪くんの胸に眠る
「借り物ではない自尊心」を、呼び覚ますのにも充分な
熱いメッセージとなりました。

それでも、ふっきれない吹雪くん・・・
決定的に揺さぶった「熱い存在」は、やはり
豪炎寺修也、という快男児だったのでしょうか。

豪炎寺は、イナズマキャラバンのFWで、本来なら
彼がエースストライカー。ところが、病弱な妹を
敵方の思惑から守るため、やむなく沖縄に潜伏・・・
豪炎寺の消息を追い、沖縄に遠征したチームの前に、
(吹雪くんが力尽きて試合から退いた直後に)守護神のごとく現れ、
エースストライカーとして復帰します。

長らく意識不明だった妹(乙女の冥界下り)
妹の目覚めと、身の安全の保障(姫の救出)
沖縄への潜伏と修業、悪人の捜査・逮捕劇(漂泊・試練の旅)
圧倒的なシュートで勝利(竜退治・英雄誕生)

豪炎寺修也という少年には、「英雄の物語」が埋め込まれています。
吹雪くんが「死と再生の双児神(文化英雄)」の相を持つのに対し、
豪炎寺の場合は、「姫の救出・竜退治」など英雄物語の王道を行く。

医者の息子で、母は幼い頃に他界したという豪炎寺くんは、
料理が得意で、妹想いの、良く出来た少年。
古代ギリシアの理想、端正で規律厳しい「軍神マルス」を彷彿とさせ
男の色香にあふれた・・・実に頼もしい人です。

吹雪くんが、イナズマキャラバンにスカウトされた理由も、
そもそも豪炎寺が、チームを離れて身を隠したから。
当初より吹雪くんは、「豪炎寺のかわりのストライカー」と
みなされ、やがてFWの豪炎寺やアツヤの役割を果たす事に
疲れはて、自分を見失ってしまいました。
いざ豪炎寺に対面すると、ボールを蹴ることさえ出来ず
直球タイプの気迫に圧倒されっぱなし・・・
もう自分はお荷物だ、と悩むのも無理ないことです。

ところがどうして。
豪炎寺は、ほんとに良いやつなので、
吹雪くんが一人でシュートの練習を始めたとき、
「つきあうぜ」と横に並んで走ります。
そして、すぐに吹雪くんの技量を見抜き、一目置きます。
練習を妨げる黒雲と雨、やがて雷鳴が響いて、吹雪くんが
パニックを起こしたときにも、医者の息子は冷静に対応。
「どうした?」
「あの音が・・・」
「しっかりしろ、あれは雪崩の音じゃない」
(ピカッゴロゴロゴロ)
「うわあ~いやだっ!!みんな、いなくなっちゃう」

このとき吹雪くんが叫んだ言葉は、たびたび脅かされながらも、
表面にあらわすまいと無理に微笑みで隠していた、本当の気持ち。
「誰もいなくなったりしない」と、
応じた豪炎寺は、一瞬にして吹雪くんの本音と問題を理解した、
初めての友だったのではないでしょうか。

我にかえった吹雪くんは、寂しさから逃れるためにアツヤを
必要とした、そんな自分の弱さを正直に語ります。
「教えてくれ吹雪、お前の求める完璧とは?」
豪炎寺の問いかけに、
「アツヤとひとつになれば、もっと強くなる」と答える吹雪くん。
「完璧でなくても、オレはサッカー、楽しいぜ?」と豪炎寺。
楽しい・・・楽しめばいいんだ、そう言っていたのは、
かつての吹雪くん自身だった・・・
「だって、お父さんが」
言いかけた吹雪くんは、はっとします。お父さん?
お父さんは、吹雪くんに、そんな無理な完璧さを求めたでしょうか?

・・・すべては、雪崩事故という過去を堰き止めるための
防波堤・・・そのための呪文が「完璧になる」だったのでは・・・

何かに気がつき、呆然とする吹雪くん。豪炎寺は告げます。
「完璧になりたいのなら、必要なものを間違えるな。
 練習は、ひとりでやれ」
立ち去る後ろ姿に、吹雪くんの叫びが(涙)
「もう、ひとりぼっちは、いやだよ」

いや、これは突き放したな~豪炎寺。
それでも吹雪くんが、これだけ赤裸々な本音をさらけ出したのは、
君がそばにいたからだと思う。すごいぞ豪炎寺。



 

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TITLE: (考察)イナズマイレブン・吹雪士郎くん(その3)

CATEGORY: (考察) 吹雪士郎くん DATE: 10/25/2010 00:00:00

(ひき続き、アニメ『脅威の侵略者編』を中心にして)
・・・吹雪くんが、「自分の物語」を語り出したとき、
新しい仲間がそばにいた。それが奇跡の始まりだった・・・

プレーヤーとして大きな挫折を味わった吹雪くん。
でも、その挫折は、彼にとって必要な経験だったかもしれません。
幼い日に味わった雪崩の恐怖と、肉親の喪失体験・・・
その悲しみや寂しさを、
ひとりで抱えてきた吹雪くんの胸には、
ときを経ても、そっくりそのまま恐怖感や無力感・孤独感が
残されていました。封印された真空パックのように。

伝説のストライカーを探すイナズマキャラバンの前に、
初めて現れたとき、吹雪くんは雪に埋もれたお地蔵さんの傍ら、
自身もすっぽり雪をかぶって、通る人もいない峠の一本道に
震えながら立ち尽くしていました。
キャラバンの車に拾ってもらい、「なぜ、こんな場所に」と問われ、
吹雪くんは「自分にとって、特別な場所だから」と説明します。
もしかしたら、
そこは雪崩事故が起きた場所だったのでは・・・と、
容易に想像がつきます。
この出会いの瞬間に、彼は家族の物語を、行きずりのキャラバンの
面々に問われるまま、語り出す機会を得ました。けれども
ふと口をつぐんで瞳を曇らせ、うつむいてしまいます。

吹雪くんの中で、雪崩事故は、まだ語れる過去には
なっていなかったのです。
地元・白恋中学のサッカー部の仲間ですら、吹雪くんが
ひとりで峠に出かけ、雪に埋もれ立っていたことを知りません。

イナズマキャラバンにスカウトされたばかりの頃、
吹雪くんは、「風になろうよ」「楽しめばいいんだ」という
言葉を好んで使いました。
熱血漢ぞろいのチームメイトからは、その気楽な雰囲気を
うさんくさく思われながらも、マイペースを貫き、
メンバーにスノーボードを使って、スピード感覚を身に着けるよう
うながします。意外に「お兄さんなキャラ」なのです。
吹雪くんは、いつも微笑んでいます。
たとえ雪の落ちる音に体がすくみ、恐怖のあまり我を忘れても、
顔を上げたときには、微笑もうとしています。
ですから、彼の味わう恐怖や孤独感は、容易に仲間に伝わりません。

吹雪くんが、風になりたいと願い、スピード感を求めたのも、
サッカーを楽しもうとしたのも、すべて胸に宿る恐怖や孤独を
忘れるためだったのかも。

故郷を離れて、サッカー遠征の旅を重ねる中で
吹雪くんは、仲間と心を通わせようとします。
星空を眺めながら、キャプテンである円堂守に問いかけます。
「ね、イプシロン戦のとき、ぼく、変じゃなかった?」
試合中アツヤの人格が暴走したことから、心が揺れ始めていました。
「そんなことない」と、円堂守は励まします。
「伝説のストライカーの力を、完璧に証明してみせたじゃないか」

「・・・そうだったな。君たちが北海道に来たのは、
ストライカーを探すためだった」
吹雪くんは、それ以上は語らず、
くるっと円堂に背を向けて眠ろうとします・・・でも
弟アツヤのことや自分の本来のポジションがDFだと
いうことまで、ほんとは打ち明けたかったのかも?
後になって、円堂守は、試合中に倒れた吹雪くんの病室で
「あのときオレが気付いていれば、こんなことには・・・」
と、激しく後悔します。
吹雪くんにとって、円堂守は「ぼくのシュートに触れることが
出来たのは君が初めてだ」と一目置くゴールキーパーであり、
帰属チームの「キャプテン」であり、
「話を聞いてほしいと願う相手」でもありました。
対話はすれ違ってしまいましたが、
円堂守は、吹雪くんの事情を知るや、その心情を察し、後に
プレー不能に陥った彼に対して「信じて待つ」姿勢を貫きます。

星空を見上げ、寝ころびながら円堂守に語りかけたとき、
吹雪くんの片手は胸に置かれ、もう片手は円堂の手と
つながろうと無意識に伸ばされていたようでした・・・
円堂は、そんなこと思いもよらず、無造作に両腕を頭の下で組み、
枕にしちゃってますね・・・なんとなく切ない場面。

吹雪くんが「話を聞いてほしい、親しみを感じる相手」は、
他にもいました。ツートップでFWの連携プレーを組んだ
染岡くん・・・染岡くんは、当初、新参者の吹雪士郎を
激しく拒絶しましたが、むしろ気が合うようになり
(士郎にとっては弟を思わせる存在、アツヤにとっては良い相棒)
互いに認め合います。認め合った矢先に、けれど染岡くんは、
試合中に負傷し、治療のため涙をのんでチームから離脱。
吹雪士郎に、エースストライカーを託します・・・
熱い男の友情、で良い話なのですが、吹雪くんの大きな負担に。
ストライカーは士郎ではなく、弟のアツヤだった・・・
吹雪くんは、プレー出来ない自分の現状を詫びるため
染岡くんの病院を見舞い、逆に励まされます。
「オレのケガなんざ、お前の苦しみに比べたら、なんでもねえよ」
吹雪くんの全ての仮面がはがれ落ち、素直になれたのは
この言葉を聞いた瞬間から、ではなかったでしょうか・・・




 

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TITLE: (考察)イナズマイレブン・吹雪士郎くん(その2)

CATEGORY: (考察) 吹雪士郎くん DATE: 10/25/2010 12:40:26

(アニメ『脅威の侵略者編』を中心にして)
主なポイントは「二重人格」であること・・・

亡きアツヤ(FW)の分まで
強く完璧なプレーヤーであることを自らに課し、
本来のポジション(DF)を超えて、
試合の責任を一人で負ってしまう吹雪くん。
攻守にわたる高い能力とセンスの反面、
「トリッキーなプレーヤー」「あの力は諸刃の剣」と
監督達に評されることもありました。

また、日頃から「ストライカーとしての凄味を感じさせない」
「軟弱」「気が小さい」(←吹雪士郎の人格)
試合態度から「自分勝手なプレーに走る」(←アツヤの人格)
と、チームメイトからも、戸惑いの目で見られがち。
吹雪くんが持っている、優しさや一生懸命さなど
本当の良さは、なかなか伝わっていかない残念な展開に・・・

対戦相手が強敵となり、自らのプレイが通用しなくなると、
しだいに吹雪くんは心のバランスを崩し、
「ぼくはアツヤじゃない、吹雪士郎だ」
「でも皆が期待しているのは、DFの士郎じゃない。
必要なのは、アツヤの力だ。DFのぼくにシュートが打てるのか」
と、自分を追いつめる方向に、一直線・・・

とうとう、シュートが決められない絶望感と無力感から、
「士郎としても必要ない。アツヤとしても必要ない。
それじゃオレは(ぼくは)いったい何なんだ~!?」
と胸に叫んだまま、プレーが出来ないほど混乱してしまい、
ボールに触れることさえ怖がるように。

チームメイトは、途中から吹雪くんの異変に気がつき、
監督を問いつめて、彼の過去・現在を悩ませている問題を知ります。
「どうして監督は、吹雪くんの抱えている問題を知りながら
イナズマキャラバンに参加させたんですか?」
「試合に勝てさえすれば、吹雪くんがどうなってもいいんですか?」

「それでも私は、彼を使い続けます」(監督)
「ここには、彼が壁を乗り越えて成長するために、必要なものが
あるからです」「・・・仲間、か」(監督とOB)

試合の得点を、吹雪くんのシュートに頼っていたチームメイト達。
それぞれの課題を見つけ、もっと強いチームに生まれ変わろうとする
仲間の練習風景を、吹雪くんは、膝をかかえて見守ります。
「ぼくは、このチームのお荷物になっちゃったね・・・」
と寂しそうにつぶやきながら、でも彼はチームにとどまり続けます。

彼は共にサッカーをする仲間を、ずっと
心の奥底では、とても大切にしてきたのに、
その想いを、士郎とアツヤという人格の二重性のために、
ストレートに表現できない「つかみどころのない存在」でした。
サッカーが怖くても、チームを見つめる・・・
その痛々しい無言の姿からは、けれど
柔和な笑顔(士郎)も、強気なオレ様(アツヤ)も消えた、
素顔の吹雪くんの、正直な感情が伝わってくるようで、
チームメイトは彼の復活を信じ、しずかに見守り続けます。

ここで「二重人格ゆえの葛藤・挫折の物語」の奥に、
「家族と一瞬にして死別した少年の、深い心の傷」が、
テーマとして横たわっていることに、気がつきました。
(・・・「凍てついた心象風景を持つ少年」が、
「サッカー仲間をとおし奇跡的な回復をとげる物語」として、
躍動感あふれるストーリーを描き切った点に、
作品の底抜けに明るい向日性・・・大きな魅力が)

ところで、吹雪くんが、
亡き弟アツヤと共に戦い続けようとした、一見不可解な態度には、
それなりの理由がありました。
雪崩事故の直前、サッカーの試合からの帰宅途中、
士郎とアツヤが、互いのポジションをめぐって幼い口論を展開し、
運転中のお父さんが、ニッコリ振り向いて諭すのです。
「それじゃ、二人がそろったら完璧だな」

お父さんもお母さんも、理知的で優しそう・・・きっと
恵まれた家庭でのびのび育った兄弟なんだろうな~
けれど直後に、場面は暗転、両親の悲鳴と襲いかかる雪崩。
凝視する士郎の幼い瞳に、すべては暗く呑み込まれ・・・

たった一人、車から投げ出され、生還した士郎の中では、
雪崩と自動車事故の記憶が凍てついたまま。
枝や屋根から雪が落ちる音や、雷鳴に反応して、
ひどく怯えます。
苛烈をきわめるサッカー試合の合間にも、事故の記憶が
鮮明によみがえって、人知れず吹雪くんを脅かしたのでした。

おそらく、吹雪くんの二重人格とは、
この「凍てついた記憶のフラッシュバック」を食い止めるために、
築かれた防波堤・・・

「アツヤと一緒に完璧な存在になる。もっと強くなる。
強くなって、みんなを助ける。それが自分が今、ここにいる
みんなが必要としてくれる、存在理由なんだ」

その裏返しの、本当の心の叫び・・・

「ぼくが弱いから、完璧になれない。ぼくが弱いから
何一つ役に役に立たない。あの自動車事故のときも・・・
ぼくが無力だから、誰も助けられなかった」
「もう、ひとりぼっちは、いやだよ」

完璧なプレーヤーを懸命に演じていた吹雪くんにとって、
自分の無力さに直面することは、
事故の記憶と正面から向き合う、とても辛い時間だったのです。




 

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TITLE: (考察)吹雪士郎くん

CATEGORY: (考察) 吹雪士郎くん DATE: 10/20/2010 00:00:00

吹雪士郎(ふぶきしろう)・・・

イナズマイレブン2『脅威の侵略者』
 (ゲーム・アニメ・マンガにわたるメディア・ミックス作品)
の準主役。エースストライカー。

北海道の小さな中学校のサッカー部キャプテン。中学2年生。

・ロンリーウルフ(一匹狼)
  群れをはぐれた(家族を雪崩で喪っている)
  亡くなった弟の人格を生きている(二重人格)
   ↓
  双児神=英雄の特徴(片われの死)
             例.ギルガメシュとエンキドゥ

・英雄タイプのAC(アダルトチャイルド)
  ACスマイル
   (心の中の葛藤や不安を隠す。ニコッ)
  完璧主義
  自己肯定感が低い
  個人プレー
  一か十かの白黒思考
  人の話が聞けない
   (雪崩によって一瞬に家族を喪い、
    寂しくてどうにかなりそうだったとき、
    死んだはずの弟アツヤの声が聞こえてきた。
    アツヤとひとつになって完璧になる。
    完璧になって強い自分になる)

  役に立ちたい
  見捨てられ不安
   (チームで必要とされているのは、アツヤの得点能力。
    シュートを決めなくては、ぼくがここにいる意味がない)
   (ぼくが完璧じゃないから、何の役にも立たない。
    ぼくが完璧じゃないから、誰ひとり助けられない。
    もっと強くならなくちゃ)

・恐怖のトラウマ
  一瞬でひとりぼっちになった過去のフラッシュバック。
   (いやだ~!!みんないなくなっちゃう)

・仲間
  ひとりぼっちではなかった。
  ボールに皆の想いがこもっていた。
   (キャプテンは「信じて待つ」と言ってくれた)
   (聞こえる、ボールから皆の声が・・・)
   (完璧になるというのは、アツヤとひとつになることではなく
    チームの皆とひとつになることだったんだ)
           ↓
  仲間とのサッカープレイを通した意識の変容により、
  不協和音を奏でていた「アツヤ」の人格が、
  本来の「士郎」の人格に融合し、
  毅然としながらも伸び伸びとしたプレーヤーへと一歩成長する。

ストーリーを追って、アニメを視聴してみたのですが、
吹雪士郎くんの物語をはじめ、
各キャラクターの描き方が深く、
「イナズマイレブン」という作品が、
多くの子ども達の支持を得た理由も納得できます。

まだアニメ全話を観ていないのですが・・・
っていうか、紙の上に印刷されたテキストがないと
作品を客観的に見直すことが出来ないので
まったくの印象評・・・アニメ等の映像作品の分析ってのは、
文学作品の読解よりも難しいんだろうナ、きっと。

アニメでの吹雪士郎くんの描き方を観て
「いっそのこと児童文学よりも文学的だ」
「ファンタジーだ」「神話の英雄誕生だ」
「それでいて、まったく楽しい子ども向け作品だ」
と、敬服してしまいました・・・アンド

単純に「こういうキャラ」には弱い・・・昔から。
吹雪くんのルックスが
どこか石ノ森作品を思わせて「ツボにはまってしまった」。
マフラーといい、毛先のはねた髪型といい、背番号の9といい・・・
(もっというなら、
「士郎」=石ノ森章太郎キャラ、「アツヤ」=永井豪キャラ)

まいったなや・・・(笑)



 

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