こちら、ドワーフ・プラネット ( Yahoo!ブログより )
ファンタジーや神話、子どもの本について等、
のんびり書き記したブログのアーカイブです。
月曜から日曜まで、『日常』は、太陽系の7惑星。
そのはざまに浮かぶ、『矮惑星』のような、
夢見がちな時間の記録として。
ホームページ「黎明のほのかな翼」
も、どうぞよろしく☆
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MONTHLY: 2010/08
TITLE: 声
CATEGORY: ポエム&童話
DATE: 08/30/2010 15:24:27
最初の水紋が 銀河を波立たせ 広がる
はじまりの言葉を沈め 七色の丸窓から シグナルを明滅させて くもりなくきらめく 多面体 その内部に波立つ 黒水晶の海
夜のなぎさを 裸足で踏んで 水晶海の謎解きへと 泳ぎだして戻らぬ人々
銀の砂浜で拾った巻き貝 つめたい潮騒に 耳を押しつけ はじまりの声の残響を さがす巡礼
遠くまで反響する 優しい呼び声 近くにいる人には 届きにくいつぶやき 幾百億の言葉の波間を ゆりかごにして
迷い人がどれほど出現したのか なぜ わたくし達はこんなにも 不器用な生き物に生まれてきたのだろう
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TITLE: 初心にかえる
CATEGORY: メルヘン雑記
DATE: 08/26/2010 00:00:00
昨日・・・
仕事多忙な東京の弟から、 夜ふいに「おめでとう」の電話・・・ 拙ブログを 読んでくれたのだそうです。 わ~!
ブログっていうのは、どこまでプライベートを 書いて良いものか、迷ったり。 読んで下さる方の顔が思い浮かぶ、その範囲で 書いていけばいいのかな・・・(初心者デス)
昨日はクリスタルのペンダントを 駅前デパートの天然石の店で選び、 時間が少しあったので 喫茶店で夫と、珈琲タイム。 子どもの夏休み明けに ちょっとだけ「特別っぽい半日」。 色々あっても、やっぱダンナ様ですよ・・・
「星型の、かわいい。レインボーフローライト、きれいだね~」 「水晶がほしいって、言ってたじゃないか・・・」 冷静なダンナの一言で、はっと初心にかえりました。
とある星占い師さんによりますと、私のラッキージュエルは、 クリスタルと、ルチルクォーツ。 クリスタルは浄化作用があって、初心を思い出させてくれる 石・・・というので、 夫にリクエストしたのでした。
かれこれ20年以上、天然石と星占いに、はまってます・・・ ファンタジーの素材としても、なかなか面白いです。
ロードナイト(バラ輝石) ラズライト(ラピスラズリ=琉璃) リスタル(クリスタル=水晶)
など、自作のファンタジーの人名・地名などに 石の呼び名を使ったり。宝石の色・イメージを借りています。
星占いは本を幾冊も買い込み、毎年、自分の誕生日の前には 「ホロスコープ」という図を描き、これからの自分の1年を ちょっと神妙に考える機会を、持つことにしています。 お正月のおみくじや、書き初めのような感覚で・・・
日常のどこかで、水晶のように透明な気持ちになれたら・・・
「この砂は、みんな水晶だ。 なかで小さな火が、燃えている」
宮澤賢治の童話 『銀河鉄道の夜』 に、 たしかこんな台詞があって、 少年達が、銀河の河原の、ほのかに光る砂粒を手に取って語らう とても美しい情景が、描かれています。
「冷たい水晶の中で、燃える火」 「銀河の河原の、光る砂」・・・
宮澤賢治は、星空と宝石のイメージを結びつけ、 きらめくような言葉の魔法に、いったん惹き込まれてしまうと 容易にその魔法から覚めることがありません。
そもそもの初心といえば、透明感あふれる賢治の童話世界への 「あこがれ」だったのかも・・・
気がつけば、雪の降る東北に住んでいるし、 少しは、賢治さんの世界への理解、深まっている・・・かな?
賢治さんも乙女座だね・・・乙女座生まれは、こっそり夢を紡ぐ。 乙女座に太陽がめぐる頃は、なぜか無性に「宮澤賢治」を読みたくなります。
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TITLE: 日付け変更
CATEGORY: 「ふぅのちいさな旅」日記
DATE: 08/24/2010 12:41:08
先の記事で御紹介いたしました
福島テレビ「ふぅのちいさな旅」
の放送日程に、変更がありました。
9月4日(土)夕方6時頃から、の放送予定だそうです。
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TITLE: 特別な日
CATEGORY: 徒然記
DATE: 08/24/2010 12:26:40
今日は、 県立高校の始業式。
明日は、 私の記念日。
小学生の息子いわく 「その日付けじゃ、 毎年、 誰にも喜んでもらえないね」
そう・・・(遠い目) 8月25日は、 暑く長~い夢の終わり♪ 福島では、小中学校の2学期が始まる日・・・
そして、 世のお母さん達にとっては、解放記念日♪ にあたるのです。
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TITLE: ふぅのちいさな旅 3
CATEGORY: 「ふぅのちいさな旅」日記
DATE: 08/23/2010 01:39:42
・・・ひき続き、「ふぅのちいさな旅」
ほんとは、ブログを書いているこの時間に、 作品そのものを書くべき、なんだろうな~
5話短編で、毎回、違った動物さんが登場する 「ふぅ」の物語。 各話に使う動物の種類は、あらかじめ 画家のナオさんと編集者さんとの打ち合わせで 決めてあります。 あとは、その動物さんをどうやってお話に使うか・・・を 考えればいいのです。
3話までは書いたのだけれど、 4話の段階で、またしても、すらっと書き出せない(トホホ)
これまで登場した動物は、 フラミンゴ・オランウータン・ゾウなど。 子ども時代に何度も遊びに行った、 名古屋の東山動物園で お馴染みだった「役者さん」ばかり・・・ 学校の授業で写生したり、家族で休日の写生大会に参加したり。 半日がかりで眺めていた動物さん達ですので、 その生態を図鑑やネットで少し調べれば、なんとなく 仕草や情景がイメージ出来たのですが。
第4話の役者さんは、調べてみると夜行性。 そのためなのか、記憶をたどっても、 「ああ、たしかに、そんなのいたかな」 と、とてもおぼろげ・・・茶色だった? 白黒だった? う~ん・・・何してたっけ?
福島市には動物園がありませんので、仙台あたりに 出かけないと、「実物」には会えません。 まだ時間が十分にあるので、やっぱり一度ZOOに 足を運ばなくちゃ・・・それとも 動物にまつわる伝説の、イメージだけを使い、 (とにかく字数も少ないので)メルヘン風にまとめるのも ありかな~
思い切りメルヘンっぽくした方が・・・だってメルヘンだし。
など、考え中です・・・真夏の動物園は、とっても暑そう(逃)
いきおいで書いてしまってから、 確信が持てずに調べたり、ジタバタするタイプなもので
やっぱり、秋に動物園に行っとくのが一番ベストかな・・・ (チョウチョの影が草にどう落ちるか、知りたくて、晴れた日に 草の茂った河原を歩いてみたりする・・・ほぼ作品とは無関係)
無駄な下調べ・無駄なイメージ・無駄にボンヤリシテイル時間・・・ でも、その無駄に費やした時間の層が、 振り返ってみると、どれもこれも とびきり楽しかった思い出に つながっているから、不思議です。 子どもの頃の宝石箱の中身は 海で拾ったガラスの丸いかけらや、白や薄紅色の貝の殻。 そんなガラクタを、今でも捨てられない・・・
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TITLE: ふぅのちいさな旅 2
CATEGORY: 「ふぅのちいさな旅」日記
DATE: 08/19/2010 16:05:49
先日8月16日の午後、福島市パセオ通りの 「パセオスペース 光のしずくⅡ」さまをお借りし、 「ふぅのちいさな旅」について、 福島テレビの、原田幸子アナウンサーから 取材を受けました。
午前中は、郡山市の画家・齋藤ナオさんを取材し、 午後は、福島市パセオでの取材。猛暑日なのに・・・ テレビ局のお仕事って・・・大変ダナ。
私は「文章を書いてるひと」という立ち位置で 「元気ッズ!ふくしま」の編集者さんと 御一緒させて頂きました。
「元気ッズ!ふくしま 」のホームページはこちらから ↓ http://www.f-kikakukoubou.jp/
福島テレビ「ふぅのちいさな旅」についての放送は 9月4日(土)夕方6時頃から、の予定。
原田幸子アナによる朗読が、「ふぅ」の原画とともに 映像になるらしく、どんな感じか、とっても楽しみです。
お母さんが、小さな我が子に読み聞かせる場面も想像して、 自分でも声に出して読みながら、お話を書いてはいたのですが・・・ まさか、プロのアナウンサーさんに朗読して頂けるなんて。
「ふぅ」は、なんて幸せ者なんでしょう。
月曜定休日なのに、快く取材場所として開けて下さいました、 「パセオスペースⅡ」さまに心より御礼申し上げます。
それから、書き手としてインタビューを受けましたので、 昨夏に出版した『黎明のほのかな翼』についても 紹介させて頂きました。テレビの視聴者プレゼントでも 5冊、配って頂くことに。 これを機会に、岩瀬書店など県内の書店さんに 本を置いてもらうよう、歩いて回るべきなんだな・・・
ウェルテのK社長、編集者のMさま。 え~と、この機会に営業活動・宣伝努力(?)してみますね。 って、今まで何をやっていたんじゃい(と、突っ込みどころですが) ↑ せっかく本が出来たのに、なんだか大事に 「箱入り娘」にしちゃってましたので、 がんばって、出版の経緯など語ってみました。(テレビ取材に)
「はったりのきかない性格なんだよな~」と、いつもいつも フォローして下さっていた二上先生の笑顔を思い浮かべながら・・・
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TITLE: ふぅのちいさな旅
CATEGORY: 「ふぅのちいさな旅」日記
DATE: 08/19/2010 13:38:32
福島市の印刷会社・山川印刷さんが発行する 「元気ッズ!ふくしま」 という情報誌で、この春から 「ふぅのちいさな旅」という短編童話を 連載中です! (全5話のうち、3話めまで書きました)
齋藤ナオさん、 という郡山市在住の画家さんの、 とても素敵な「絵画世界」を物語化しよう、という企画で
1年間に5話連載、 主人公の名前は「ふぅ」
ということが決まっている段階から、 物語の創作に参加させて頂きました。 毎回、原稿用紙1~2枚の物語を書くために、
動物図鑑を調べたり、ネットを検索したり 炎天下の河原をてくてく歩いてみたり。 ピアノを延々と弾き続けたり クラッシック音楽や 癒し系音楽のCDを聴いてみたり。 夜明けにガバッと起きてパソコンに向かったり 遅れている言い訳のメールを、編集者さまに送信したり。
・・・と、さまざまな悪あがきをしております。 それもこれも、日頃の雑念が多すぎて なかなか「ふぅ」の世界へのチャンネルが開かないため(泣)
よ~し、出羽三山に詣でて、白装束で 山伏の修業でもしてこようっと( ←ウソ・・・ときどき本気)
字数的には、短時間で仕上がる短編なのですが、 齋藤ナオさんの世界にふさわしいピュアな表現で なおかつ、出来るだけ絵になりそうな場面を・・・ などと考え始めると、すらっとは書き出せない自分。
童話作家を志していたんじゃないのか! 書けずにいてどうする? (↑星一徹の口調)
山川印刷さんには、貴重な勉強をさせて頂いてます。 毎回、キュンと切なくなるような「ふぅ」を描いて下さる ナオさん、ほんとにありがとうございます。
まだまだ連載中ですので、今後とも どうぞよろしくお願い申し上げます。
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TITLE: アクエリアス
CATEGORY: ポエム&童話
DATE: 08/16/2010 09:51:07
光と闇との 黙示録の行間 天の河が氾濫した
銀翼が塔を砕き 十字路に 行き場のない 風が荒ぶ 広場は鉄条網で 閉ざされ
星雲の衝突 太陽の消滅 旅人は闇の水底に ゆっくりと 身を横たえて 星々の淵を仰ぎ見る
泥につながれた 翼を持たぬ魚 土の塔で なおも物語を紡ぎ続ける 星座を観測した者達の末裔
よみがえれ 水瓶を捧げる大地の女神 肥沃な恵みの洪水を とぎれめなく空と大地にめぐる雨を
病み疲れた白い都の 頭上いっぱい 押し寄せる銀河 降りしきる流星雨のように その腕に抱く水瓶から 無限に注げ
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TITLE: お盆と、星と、台風と
CATEGORY: メルヘン雑記
DATE: 08/15/2010 18:03:52
8月12日から13日にかけて ペルセウス座流星群がピークを迎える、というので 「今年も浄土平で、星を観る?」 と楽しみにしていたのですが、 あいにくの台風・それに続く曇り空や雨天で 「よし、出かけよう!」というタイミングを失ったまま お盆が過ぎてしまいました。
名古屋の実家にも帰省せず、親不孝をしております。m(_ _)m
ペルセウス座流星群は、ちょうどお盆休みにピークを迎えます。 吾妻小富士の火口付近に広がる「浄土平」は、天文台があり、 絶好の観測スポットなので、毎年、流星群を観るために かなりの数の人が集まっている様子・・・
今年は、火口の噴気が激しいために、 「夜間のイベントは中止」 と、天文台のホームページには載せられていましたが、 それでもやっぱり星が好きな人は出かけたのかな? 下界では曇っていても、山頂は晴れていたかも・・・ と、流れ星に、未練あり。
高校生の娘は、星には無関心。 一方、小学生の息子は、「今年は観に行かないの?」 と、そわそわ・・・ 天候不順とみるや、夫はお盆休みに入ると速攻、 『巨人の星』のアニメDVDをレンタルしてきて、 真剣な表情で、1話目から6話目まで、じっくり鑑賞。 その強烈な世界観に、影響を受けてしまったのか 小学生の息子は、昨夜、「とうちゃん、うう~・・・」と 星飛雄馬の口調で、寝言を。
同じ「星」でも、「ド根性の星くん」には、 ロマンを感じられない・・・(涙)
台風は「天の水瓶」 ・・・「サイクロン!」と叫んで変身する、オシャレな 仮面ライダーのお兄さんには、いまだにロマンを感じるオバサン、 である自分自身を省みれば、 夫の趣味を、トヤカク言えない、とも思うのでありました・・・
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TITLE: 学校の怪談あれこれ
CATEGORY: 読書メモ
DATE: 08/15/2010 12:07:17
夏といえば怪談。
息子の通う小学校のPTA広報部で、好きな本のアンケートを 子ども達に行いました。 その結果・・・(今から3年前、2007年のデータですが)↓
小学3・4・5年生に、『学校の怪談』が人気で、 中でも3年生では、「好きな本」「好きなマンガ」も1位が、 『学校の怪談』でした。 そこで、少し調べてみましたら・・・
『学校の怪談』は、複数の出版社から読み物・マンガとして 出版されており、その中心になっているのが、 「日本民話の会」の仕事・・・つまり、『学校の怪談』とは 幾人もの著者による短編集のことでした。
アイルランドのケルト妖精物語も、同様に 伝承の語り部を訪ねて、その口承に耳傾け、書き記す、 という方法で保存されていますが、 日本にも、こんなに大きな仕事の成果があって、怪談が保存され、 妖怪たちが命脈を保っている、ということには、 大きな驚きと、敬意を覚えずにはいられませんでした。
特に『学校の怪談』について、 民俗学的論考という形で、しっかりと足場を築いた「常光徹」さん。 そして、豊かな感性と鉄の意志・『現代民話考』シリーズの 「松谷みよ子」さん。もし、この両者のような 「立役者」が存在しなかったなら・・・ 息子の小学校のアンケート結果からうかがえるような、 現代っ子の『学校の怪談』読み物人気、という現在は、 多分あり得なかったことでしょう。
「学校とは、妖怪たちの好んでひそむ場所であり、 そもそも学校の立地は、刑場跡、墓地のそばなど(用地確保のため) 人々から忌避される場所であったことも多い」と、 常光徹さんは、その著書『学校の怪談』の中で、述べておられます。
学校が、兵舎や仮宿泊所、避難場所の役割を果たしてきたことで 「戦争の記憶」や「大きな災害の記憶」と結びつく場合もあり、 『学校の怪談』が、そうした記憶を、次世代へと伝える面も・・・
高度経済成長期を経て、都市化・核家族化が進む中、 日本の「学校」は、「学校化社会」という言葉が示すように、 村外れどころか、住宅街の中心に位置するようになりました。 まず両親が子どもの通う「評判の良い学校」を選択し、 その近くに居を構えるなど「教育環境」を重視する 「転勤族」さえ出現した、現代の学校事情です。
このような変貌をとげた「学校」に潜んでいる妖怪達は、 いったいどのような姿をし、面影を宿していることでしょうね。
そういえば、福島市信夫山のふもと、狐塚あたりは 市街地の真ん中で、「学校密集地」ですが、 もとは刑務所があった場所でした。 この2年前には刑務所を仮釈放された人のための 「自立更生促進センター」という、不思議な更生施設が いつのまにか建設され、市民の大きな反対運動の中、 今週お盆明けには、二人の仮釈放者を入所させ いよいよ運用が始まると、全国ニュースでも報道されています。
子ども手当などより、子ども達が遠足やフィールドワークで のびのびと遊べる、貴重な信夫山の環境を大切にしてほしいな~ と願いながら、経過を見守ってきたのですが。
なんだか怪しげな雲行き・・・ 更生センター周辺学校の、トイレの花子さんや 信夫山のゴンボ狐も、子ども達とともに、 大人社会の行く末を心配そうに見守っているかもしれません。
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TITLE: 『黎明のほのかな翼』 2冊売れました。
CATEGORY: 「黎明のほのかな翼」日記
DATE: 08/11/2010 10:28:09
昨年の夏、「ウェルテ」さんという出版社から発行した 「箱入り娘プリンセス・アストリアの、遅すぎる目覚め」 (というタイトルにすれば面白かったかもしれない・・・)
拙著 『黎明のほのかな翼』 ・・・無名の書き手の、マニアックなファンタジー
を、いったい何処のどなた様がお買い上げ下さったのか・・・ とある大学生協の、書籍売り場に2冊、置かせて頂いたのが、 昨年の9月。 1年近くもそのままで、忘れかけていた頃、 「2冊とも売れた」との、うれしいお知らせが(涙) 黙って棚に並んで、誰かのところへ連れて行ってもらった2冊の本、 良かったね、きっと(読者さまと)幸せになってね(涙)
なんだか我が子が自立して、嫁に行ったのを見送る気分・・・
「1500円も出して、中身のわからないファンタジーを ハードカバーで買っちゃうなんて・・・ どんだけ勇者なの~? 信じられない」
高校生の娘は、実に言いたい放題。 けれどメゲズに、早速、大学生協さんに、新しく2冊届けました。 遠い日にまた、新たな勇者の現れることを待ち望んで・・・
「柊ゆたか」さんという、気鋭の漫画家さんが描いてくれた イラストがとても美しく、白い装丁もすっきりと上品で 1500円は、けっして高くない、という出来栄えの本。 あとは、お買い上げ下さった方が、 本文を読んで満足して下さることを、ひたすら祈りつつ・・・
見知らぬ二人の勇者(たぶん、間違いなくファンタジー好きの人々) に、ひそやかな感謝を捧げる、今日この頃・・・m(_ _)m
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TITLE: 夢のララバイ
CATEGORY: メルヘン雑記
DATE: 08/09/2010 18:29:23
「眠れ、眠れ・・・」 子どもの頃に観た、石ノ森章太郎さん原作の長編アニメ 『大恐竜時代』で流れていた挿入歌
『夢のララバイ』
が、今でも記憶に残っています、たった一度聞いただけなのに・・・ youtube等にも投稿されていませんし、よほどマイナーな曲らしく、 もう一度、聴いてみたいなぁ・・・と願うばかり。
夏になると、石ノ森章太郎さん独特のタッチによる
『やがて秋がきて冬がくる』
という、詩情豊かな短編の、ひとコマずつが目に浮かんできます。 入道雲、太陽、夕立ち、落雷、雨上がり、祭りの提灯、花火・・・
『ファンタジーワールド・ジュン』という、連作短編集に収められた 作品のひとつです。私はこの『ジュン』が好きで、好きで 大好きで、高校時代、いつもこの文庫本を持ち歩いていました。 「イメージの連鎖」の魔法にかかり、その魅力に心奪われて・・・
アニメの「大恐竜時代」で、主人公のジュンが、 木の下で詩集を読むシーンがありまして、その詩集が何だったのか 知りたくて、活字の文庫本の詩集を次々に読んでみたり・・・
「文字による詩」を読む前に、思えば石ノ森マンガやアニメが、 詩的な表現世界への、水先案内の役を果たしてくれたのでした。
たとえばピアノを弾いていると、 音楽の流れの中で、情景が浮かんでくることがあります。 また、お話を書くときには、たいてい中心になるイメージは 一瞬で浮かび、その後、かなりの時間をかけながら 言葉になおし、文字で表現していきます。
そういう作業は、文学というのだろうか?
やっぱり自分は、マンガ・アニメ世代なのかな・・・ 文学というよりは、童話・ファンタジーに居場所があるのかな? なんてことを、 いつもボ~ッと考えてます。
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TITLE: 子守唄 3
CATEGORY: ポエム&童話
DATE: 08/07/2010 08:30:00
にぶくかがやく 時の石
あわくきらめく 夢の星
石をみがいて 星にしよ
涙のかけらも 友にして
闇のしずくを 癒すまで
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TITLE: メルヘン(後)
CATEGORY: ポエム&童話
DATE: 08/06/2010 18:42:54
銀のくさりの埋もれた土を掘ると、 「本の岩」に刻まれた、小さな文字が見つかった。
『源へたどりつけ』
掘り進むにつれ、「本の岩」に刻まれた絵や文字が、 地層の中に、浮き上がる。
「ツバサ族の先祖が、残したメッセージだ。 この岩は、大昔、今ほど厚く埋もれておらず、 この辺りを、広い河が流れていたのか」
彼の頬には、泥まじりの汗。 「本の岩」は、あらかた掘り出され、 岩肌いちめん刻まれているのは、大きな船で海をわたる人々、 夜の航海で目印にした星座、船の作り方の説明図。
めぐる月日、掘り続けた二人の両手は、汚れに汚れ、 ついに銀のくさりの先が、くずれた大地から現れた。 掌のくさりの端でゆれる、小さなカギには、 文字が刻まれていた。
『自由に旅立て』
彼は、笑いだした。
「長い間、ぼくを縛っていたのは、こんな言葉か!」
掘り出された「本の岩」の根元に、 くさりのもう片端をつないだ、銀の台。 カギ穴がひとつ、そこにも刻まれた、小さな文字。
『流れのままに行け』
さびついた、力強い線。 古代の知恵を問う瞳に、風をはらんだ真っ白な帆、 新天地を目指して舵をとる人々の姿が、浮かぶ。 幻の船は、水晶ガラスの海原を、鳥のようにすべる。
彼が口を結び、古いカギ穴に、カギを差した。 「本の岩」が大きく揺らぎ、 岩の下から、幾百の鈴を響かせ、水があふれた。
あふれた水は、矢のように一すじの川となり、 解き放たれた地下水の渦は、 おぼれた二羽の鳥のような私たちを、水晶の腕で運んだ。
流れる水のほとり、見知らぬ野原で目覚めたとき、 彼は、ゆったりと翼を広げた。
「『ここは二人の新天地』・・・最初の言葉、 はじめの一歩を、そう岩に刻もうか?」
「本の岩」は遠く、彼の翼に銀のくさりは、もう無い。 私は、一粒の種を、掌にのせた。 ・・・水晶の小川が歌う沃野で、この一粒の種は、芽吹き、 どんな花を咲かせるだろうか。
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TITLE: メルヘン(前)
CATEGORY: ポエム&童話
DATE: 08/06/2010 18:00:22
仲間とはぐれた上、こんな大穴に落ちるなんて! もう森には帰れないのか。 私の羽根はあちこち破れ、飛べそうにない。
暗闇に明かりが見えた。 見知らぬ若者が、大きな岩に腰かけ、本を読んでいた。 岩には、深いくぼみがあり、数えきれぬ本が並んでいた。
「これは、空の飛び方・・・という本だ。 そして、ぼくは、ツバサ族の生き残り」
若者は、二つのビンを取り出した。 赤いビンを傾けると、光る野イチゴの酒が、盃にこぼれた。 若者は、白いビンから木の実のパンを出し、半分に分けた。 焚き火を燃やし、手をかざし、私たちは陽気に歌った。
心から微笑むと、破れた羽根が、背中から落ちた。 私の両肩には、金の新芽のような羽根が・・・
「もう君は、自由に飛んでいける」
私は、首飾りから、大切な種を取り出した。 妖精族は、ひとり一粒の種を持って、この世に生まれ、 芽吹くのにぴったりの場所をさがす。
「残念だよ。ここは暗くて日が射さぬ、大穴の底だ。 きれいな水も、流れてはいない」
ふたりで穴の底から飛び立ちたい、と願ったが、 若者は、首をふった。
「ツバサ族のつばさとは、本の岩そのもの。 ぼくは、ツバサ族の知識を受けつぐ者」
大きなマントの下、彼の背にある、一対の翼。 翼の付け根にからみつくのは、銀色のくさり。 くさりは長く伸び、彼が腰かけた大岩に巻きつき、 地に埋もれていた。
「白いつばさの両肩に、銀の戒めが・・・ くさりの先は、どうなっているのかしら」
野イチゴの甘いお酒に酔って、空飛ぶ夢や、 本に埋もれている時間は、おしまいになった。
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TITLE: 子守唄 2
CATEGORY: ポエム&童話
DATE: 08/06/2010 10:51:57
今日の夢 明日の風車 ひとすじの風が めぐりめぐる 星はきのうのきのう ずっと前から 丸い夜だった。 唄を抱いて 旅していた 夕べの月よ 忘れないでおくれ 虹色のかすかな記憶 星はめぐる 夢の彼方 知っているのは 明日が来るということだけ。
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TITLE: 音符は、言葉。ショパンの曲は、ポーランド語・・・
CATEGORY: メルヘン雑記
DATE: 08/04/2010 00:00:00
だから、 ポーランド語のつぶやきに聞こえるよう 楽譜のとおりに弾きましょうね。 と、ピアノの先生は教えて下さるのですが・・・
あ、ここで切って、ここで音をつないで、 など考えた途端に、指がもつれて間違えてしまいます(泣)
ショパンは 故国を離れても、 終生、望郷の念を抱き続け、 その想いが、哀愁や詩情を帯びた旋律に宿り、 聴く人の胸を打つのだといいます。
国境も言葉も越えて、想いを伝えることが出来る・・・ 音楽っていいな~と、つくづく。 もう少し ピアノが上達すると、もっといいな~♪
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TITLE: 子守唄
CATEGORY: ポエム&童話
DATE: 08/04/2010 00:00:00
かっこう むくどり 白い鳩 つばめ こまどり 青い鳩
いくさの世にも 国をへだてず 青く広がる この空の果てへ
ひとひら ふたひら 夢のかけら 飛び去ったもの達が 残していった
拙著「黎明のほのかな翼」(発行ウェルテ)より
エンリル王国の民に古くから伝わる歌で、 「エル・シエルの子守唄」と呼ばれています・・・
子守唄は、ファンタジーにとって、「扇の要」だと思います。
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TITLE: ノクターン
CATEGORY: メルヘン雑記
DATE: 08/03/2010 14:19:20
今日は、ピアノのレッスンの日です。 ショパンのノクターン第2番を、この春から ず~っと練習しています。 秋の発表会で弾くのです。 ツェルニー30番の、地道な運指練習も・・・
なにゆえ日本人なのに 西洋音楽を学ぶのだろうか・・・なんて 考えては、何事も始まらない。 なにゆえ日本人なのに 西洋ファンタジーを読み、 それを真似て、お話を創るのだろう? なんて考えてしまった日には・・・(絶句)
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TITLE: 緑のお池
CATEGORY: ポエム&童話
DATE: 08/01/2010 12:16:51
緑のお池が ありまして 緑のお目々の男の子 銀の髪さらさら その上に お皿が一枚 のってます。
緑のお池が ありまして 赤いおくつの女の子 お魚のぞいた そのはずみ 緑の水に おちました。
緑のお目々の男の子 すいすい泳いで 池のそこ おぼれた女の子を ひっぱって 緑の草へと はこびます。
緑のお池が ありまして 岸辺でめざめた女の子 銀の髪さらさら 見たような? 赤いおくつが ありません。
きっと おくつは池のそこ 今ごろお魚の家の屋根 それとも だれかの宝物・・・
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TITLE: 赤い鳥居
CATEGORY: ポエム&童話
DATE: 08/01/2010 11:43:51
ひとりでくぐる 赤い鳥居 どこまで続く 林の暗がり
奥まで続く 赤い鳥居 お稲荷さんの おやしろの
白いお顔としっぽに会いに
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TITLE: 夏祭りの頃・・・
CATEGORY: 神話雑記
DATE: 08/01/2010 11:35:53
近所の神社で、毎年「茅の輪くぐり」が行われ、 同時に 紙の人形に名前を書いて穢れを払ってもらう、 という夏の祭事があります。 気がつけば、地元のこの夏祭りに、まだ一度も参加していません。
故郷の名古屋での夏祭り・縁日が、なつかしく思い出されます。 名古屋の地元では、夏の祭礼は「あかまるさん」と呼ばれ、 家族そろって、宵に神社にでかけました。
子ども達は、額の真ん中に朱印を押され、頭を垂れ、その頭上で 少女の巫女さん達が、かざした扇ごしに鈴を振って、 病気や禍などの、穢れを払ってくれたのでした。 もちろん、子ども時代のことですから、 神事のいわれ等よりも、水飴や綿菓子、お面や輪投げなど 電燈に照らされ、境内ところせましと並ぶ屋台の魅力に、 幻惑されっぱなしで、懐の銀貨の残り具合に、 いつも 頭を悩ませておりました・・・
亀がたくさんいる弁天池の、濁った緑色の水や、 神社の奥の林に、ひっそりと祀られていた、お稲荷さんの鳥居・・・ 幼い頃から幾度も遊んだ神社の境内が、 今でも、はっきりと目に浮かびます。 名古屋の街中だったので、神社は、子ども達にとって、 大きな樹や古い池に囲まれた、貴重な遊び場だったのですね・・・
現在暮らす福島市は、地域にいながら、 豊かな自然や伝統文化に 触れることが出来て、 子育てには恵まれた環境です。 あまりに恵まれ過ぎていて、 東北の「茅の輪くぐり」という 貴重な祭礼を、 毎年の夏、なんとなく見逃していたのでは・・・ と、 今頃になって気がついたり。 灯台もと暗し・・・来年の夏こそは、出かけてみようかな。 ファンタジーのネタ探しに、是非とも。
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2014年6月1日 Yahoo!ブログに移設
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