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のんびり書き記したブログのアーカイブです。

 

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そのはざまに浮かぶ、『矮惑星』のような、

夢見がちな時間の記録として。

 

 

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CATEGORY: (考察) ヤマトタケル



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トリックスターは、先住民の知恵者?

掘川散策

断夫山古墳

熱田神宮(こころの小径)

白鳥古墳

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怪談クサナギノツルギ

弥生×縄文ハーフなソース顔の場合

王子の謎めく素顔

塗ってみました。(;'∀')

犠牲王の面影(1)

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ヤマトタケルと蜘蛛男(2)

ヤマトタケルと蜘蛛男

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TITLE: トリックスターは、先住民の知恵者?

CATEGORY: (考察) ヤマトタケル DATE: 09/05/2017 13:52:45



ケンカに強いトリックスター。
ときおり失敗する。
日本神話では、ヤマトタケルにその面影がある。
トリックスターの素朴な形では、
アフリカ神話の蜘蛛男アナンシが思い浮かぶ。
アナンシの妻は、蜘蛛女アソ。

古代日本には、
蜘蛛信仰があったのではないかと仮定してみる。
アソツ彦・アソツ姫は、
土蜘蛛と呼ばれる民の長で、阿蘇山の神だった。
土蜘蛛は、クズとも呼ばれ、
近畿にも先住していたが、ヤマト朝廷に征服された。

ヤマトタケルを祀る古峯神社は、
栃木や東北(福島市の信夫山)にみられる。
フルミネと書いて、コブとも読む。
ブは、九州地方では、蜘蛛の呼び名だという。

ヤマトタケル伝説では、
ヤマト朝廷の悲劇の英雄という性格以前に、
あるいは土蜘蛛と呼ばれた先住民の信仰が
土台となっているのではないか、
と、そんな妄想がしばしば心をよぎる。





 

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TITLE: 掘川散策

CATEGORY: (考察) ヤマトタケル DATE: 07/29/2017 15:00:22

(7月24日)

断夫山古墳から白鳥公園を経て、
堀川の岸辺を散策しました。





「あつたきねんはし」
からの堀川の眺め。



岸辺を歩く。
吸い込まれそうな水量。











濃緑に濁った川面。





チャポン、チャポン、
と白い波紋が浮かびます。
目をこらすと、お魚さん達が
ジャンプしているのでした。



海が近い気配。
この川に沿って行けば、
名古屋港にたどり着けるかな……



川辺の街「大瀬子」に、
カグツチ社。
イザナミノミコトの火傷の原因となった子神、
火の神さまのお社。



カグツチ社に、秋葉の石標。

隣接して秋葉神社。
火伏せの女神かな。





秋葉神社の門に、葉っぱの紋。
天狗のうちわ、みたい?



織田信長の居城・清州に
日々魚介類を運んだという
東海道「宮の宿」に栄えた魚市場の跡。

カグツチ信仰、いくつも並ぶ「秋葉神社」は
往時の名残をとどめる。



魚市場跡そば、大瀬子公園。



秋葉神社。境内には、
水天宮・津島神社も祀られていた。





水天宮、その御祭神は
アメノミナカヌシ(北極星)かな、
航海の指標。
水運、安産、子どもの神さま、だとか。

やっぱり秋葉さまは火伏せの女神。
堀川や熱田の海・水運の女神。
カグツチ(火や剣や雷や諸々の神)の母なる神。

春日(浅間の女神)は春の日差しを
水面に浮かべる火伏せの女神。

秋葉(愛宕の女神)は秋の錦を
水面に浮かべる火伏せの女神。

……なんとなしに、そんな妄想。



津島神社は、スサノオ系。
イザナミの女神を慕って泣いたという。




堀川の川辺には、
親水公園がいくつも
設けられていて、
ひとときの涼を得ました。
(*^-^*)

川にも古墳にも神宮にも
古代からの水や土の女神、
製鉄や農耕の開拓神(熱い神)の
面影がしのばれる熱田の街です。

夏の日差し降り注ぐ街……






上記リンクは、堀川に関するWikipedia の記述です。





 

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TITLE: 断夫山古墳

CATEGORY: (考察) ヤマトタケル DATE: 07/29/2017 13:35:37

(7月24日)

断夫山(ダンプサン)古墳にでかけました。

ヤマトタケルの妻
ミヤズヒメの墓とも伝えられ、
ヤマトタケルにちなんだ
白鳥古墳の近くにあります。



面積 約1.5 ha



夏の木立、鬱蒼としています。



あちこちに立て看板。



















上記リンクは、断夫山に関するWikipediaの記述です。











広いなぁ……







隣接するコミュニテイーセンター脇に
芝生を植えた「ミニチュア断夫山」
(*^-^*)


古墳って、なんであんな形なんだろう……
農業用水路をつくるために掘った土を
盛り土したのだとか、
いろんな説がありますよね……

たしかに断夫山古墳・白鳥古墳のすぐ傍らを
ゆったりと堀川が流れています。
河口の風情が漂い、海が近いと感じさせる
濃緑の堀川の流れですが、
その昔は、もっと海が
熱田の地に迫っていたといいます……




この辺りは山がないので、
盛り土した人口の山(古墳)で、
海を見晴らしながら、
月や太陽や星を拝んで
なにか豊穣祈願の儀式をしたり
祖霊を祀る儀式をしたり
したのかなぁ……
('◇')~☆




 

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TITLE: 熱田神宮(こころの小径)

CATEGORY: (考察) ヤマトタケル DATE: 07/26/2017 17:11:48


(7月23日)

白鳥古墳に続いて、
熱田神宮にお参りしました。



大きな鳥居、広い参道、大きな社殿。



拝殿からお参りした後、
本殿の裏手の森をたどる
「こころの小径」を
歩いてみました。



本殿左奥(北西)の
「一之御前(イチノミサキ)神社」は、
ほんの数年前まで一般には
非公開の聖域だったそうです。
撮影禁止、禁止事項多数。
「熱田大神(天照大神)の荒魂を祀っており、
それは危難を退ける勇猛な神様で、
熱田神宮で最も大切な場所」
という説明の立て札がありました。

古代の記憶をとどめる
神聖な場所なんですね……

森の小径をたどっていくと、
本殿右手に位置する湧き水に出会います。
お清水さまといって、
女神ミズハノメを
お祀りしているそうです。





湧き水の中の石は、
楊貴妃の石塔という伝説があり、
ひしゃくで三度、水をかけると
願いがかなうそうです。
意外に石まで遠いので、ひしゃくの水が
なかなか届かない……☆



熱田神宮の境内に大きな看板が並んでいて、
楊貴妃伝説、蓬莱伝説など
説明してくれています。
わかりやすいです。




熱田大神が中国にわたって楊貴妃になった、
熱田神宮は蓬莱だ、という伝説です。

熱田大神の御神体である剣が
明治まで奉安されていた
「土用殿」という建物が、
本殿東にありました。





静かなたたずまい、案外、簡素かも……

ヤマトタケルのクサナギノツルギです。
これも境内にあった看板……



ヤマトタケルから剣を預かるミヤズヒメ。



土用殿のある森林に
祀られている御神木。



ルートは、こんな感じ。







御祭神は大年神。
春の祈年祭・秋の新嘗祭には
土用殿の屋根にお供えを投げ上げ、
ホーホーと鳥を呼んで、お供えを
鳥が食べるまで祭事を始められなかった、
そんな「鳥祭り」を伝える「御田神社」。



そして、龍神社。
「こころの小径」の出口です。



一之御前神社は、冥界への入り口。
そして魂は旅をして、

湧水の女神と、
神意を伝える鳥と、
豊穣をもたらす龍と、

世界を支える樹木と、
彼岸と此岸とを切り分ける剣と、

そんな世界観をめぐって
現世に再生する……
のかもしれない?

「こころの小径」
なんとなく、異界めぐり……☆


神話が好きなので、つい妄想。('◇')ゞ





境内には、大きな池や、水の流れが随所に。
「南神池」は、売店・茶屋に隣接して
リラックスした雰囲気。

亀をかたどった石が水面を飾っています。
亀の甲羅を土台とした
「蓬莱島」のイメージ?
熱田神宮がその昔、中国に奉納した鏡にも
蓬莱文様が描かれていたそうです。
下記写真も境内の看板より。


暑さを忘れる緑陰、
ときを忘れる神話の宝庫。
(*^-^*)








 

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TITLE: 白鳥古墳

CATEGORY: (考察) ヤマトタケル DATE: 07/26/2017 13:56:53


(7月23日)

名古屋市熱田区の熱田神宮そば、
白鳥古墳を訪ねました。
白鳥になって飛び去ったという
ヤマトタケル伝説にちなんだ名の
6世紀初め頃の古墳です。
うっそうとした樹木に覆われています。
長い歴史の間に、あちこち削られて、
前方後円墳の前方部が失われ、
残っているのは現在の円墳部分なのだそうです。







古墳のすぐお隣には、
「白鳥山 法持寺」という
立派なお寺がありました。





その昔は、熱田の丘陵から
南に伊勢湾の海原を見下ろす
まるでお城のような寺だった、と。



織田信長が桶狭間の戦いに挑むとき、
この辺りを進軍したのかしら。
雨降りだったので、プレートに
オレンジの傘が写ってしまいました。

海を見下ろす街道の地=熱田。
堀川も流れて、古くから
人が住み、農耕や交通を営んだ
面影が残る街です。
神社やお社、寺院がとても多い。



「白鳥山 法持寺」の瓦の
十六菊花紋。
日本では菊だけれど、
中東ではイシュタル紋
(ナツメヤシの葉を上から見た形)
だそうです。
名古屋市博物館でみた古代の尾張地方の瓦にも、
こんな紋(イシュタル紋)が刻まれていました。
渡来の意匠が伝わっているのかな……

そのお隣には、うまく撮れなかったけれど
パルミット紋?ロータス紋?

古代の出土品ではなく
現代の瓦ですから、
たまたまそのデザインなのかもしれませんが、
何か伝統があるのなら面白いな……(*^-^*)
などと瓦の紋ひとつにも夢想が広がる、
由緒ありそうな、とても大きなお寺さんでした。




 

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TITLE: ヤマトタケルの義兄は、タケイナダネ

CATEGORY: (考察) ヤマトタケル DATE: 03/19/2017 16:07:33



最近お絵描きしてないなぁ……

ヤマトタケルの義弟タケイナダネ(ミヤズヒメの兄)伝説と、
死と再生の穀物神(ディオニュソスとかオシリスとかアドニスとか)
との類似について妄想していたところでストップしてる。

タケイナダネを祀った神社が、
たとえば常緑の松(ディオニュソスのシンボル)
と結びついていたり、
たとえばウツツ神社という名だったりする。

ウトゥって、古代メソポタミアの太陽神で、
月神シンの息子で、金星女神イナンナの兄。
遡ると、ウトゥはシュメールの太陽神で、
三姉妹のクモ女神だったとも。

ヤマトタケルの友であり義兄でもあるタケイナダネは、
ウトゥ(別名は太陽神シャマシュ)の系譜の
面影を宿している、のかもしれない。

とりあえず、妄想のとっかかりに、メモ書き。




 

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TITLE: 怪談クサナギノツルギ

CATEGORY: (考察) ヤマトタケル DATE: 10/20/2016 13:09:36


ヤマトタケル伝説について、あれこれ
ネット検索していたら、
「クサナギノツルギはウラン製だった」
という、一種のトンデモであろう説(都市伝説)に出くわした。
が、これはこれで面白いので、書きとめておくことにした。

まずは、ヤフー知恵袋。
「クサナギノツルギが放射性物質ってほんとですか?」といった内容。↓


そのウワサの出所は、どうやら2ちゃんねる。

同じくヤフー知恵袋のやりとり。上記の知恵袋もそうなのだけれど、
Q&A(冷静な回答者さん)が程よい距離感で面白い。


2ちゃんねるに書き込まれた「怪談クサナギノツルギ」↓


上記のサイトによれば、この「怪談」の初出は、2003年2ちゃんねるスレッド。
その後、2009年にコピーされた「怪談」が再考されて、
「2ちゃんねる まとめwiki」として再UP。

「クサナギノツルギ ウラン」などキーワード検索すれば
いまも様々な記事が出てくることでわかるように、
その後、いくつかのブログや知恵袋などを経て、
震災後の今日まで
「怪談クサナギノツルギ」が伝承されている。
その過程で、2003年の初出では「金」とされた神器の素材が、
上述のヤフー知恵袋のやりとりでみたように、
「放射性物質」へと変貌し、ときには
日本におけるウラン鉱脈をめぐる陰謀論にまで結びつく。

こうした「都市伝説」が息づく背景には、
・福島第一原発での過酷事故の記憶
・放射性物質への不安
があるのかもしれず、こうして少しずつ変容しながら
「国家の一大事」的な過去の怪異エピソードとして
ネット空間でひっそりと伝承されていくのだろうか。

初出の「怪談クサナギノツルギ」では、
「金製の奇妙な呪具」として描写された形状は、
容易に、ユダヤのシンボル「メノラー」を連想させる。
祭文によって「西の方にいざり動いた」という描写も、
その神器のルーツが西方にあることを匂わせる。
つまり、インターネット上で初めて語られたときから、
この神器は「日ユ同祖論」的な性格を含め持たされていたのだろう。

下記は、Wikipediaによる「七枝の燭台=ユダヤのメノラー」の記述。


そして、ユダヤの秘教カバラで伝承されてきたという、「生命の樹」。
下記はWikipediaによるその記述。


ただし、聖なる樹木への信仰は、
ユダヤ特有のものではなく、古来より世界的な広がりを持つ。
下記は、Wikipediaによる「世界樹・宇宙樹」の記述。


メノラーの形状は、世界的な古代信仰「聖なる樹」を
洗練させたデザインであり、
過去の日本列島にそのカタチが伝承されていても
不思議ではないのだが、
大胆にも「クサナギノツルギは、剣ではなく金の宇宙樹の形」
と語って見せたところで、
まず「怪談クサナギノツルギ」の不思議な生命力が
宿ったのだろう。(;'∀')

そして、この怪談が語られた場が「過去の大学の研究室」であり、
語ったのは「学友」、聴いたのは「先生と自分を含む学生」という点で、
これも一種の「学校の怪談」なのかもしれない。
「神社の怪談」であると同時に「学校の怪談」でもあり、
「太平洋戦争末期の日本」
「国家祭祀によって、神官が犠牲」
といった歴史譚を含み、
神器に手をかけるというタブーを冒して
「青い炎で炭と化す」結末に至るまで
全体に冥界的・呪術的な畏怖のトーンでまとめられている。

このような古今東西の知識に基づく、
すこしオトナな「学校の怪談」が語られる場として、
検索によって知識が得やすく、読者も情報が共有しやすい
インターネット空間、作者が名無しである
2ちゃんねるのスレッドなどが、
とても適したメディアであることは間違いないだろう。

かつては神話に関する知識・イメージなど
一部の大人の興味の対象であったものが、
ゲーム他マンガ・アニメなどによって、
青少年にとっても「名前だけは知っている」アイテムや神名へと、
変貌している、ここ数年の時代背景も興味深い。
「怪談クサナギノツルギ」のような
インターネットを媒介にした都市伝説は、
今後もひっそりと、したたかに命脈を保ち続けるのではなかろうか。

以下は、Wikipediaによる「学校の怪談」の記述。






記憶が少しあいまいだが、
以前に読んだロシアの神話学者の宇宙樹論では、
たしか、宇宙樹の図形は、
「上、中、下」「右、左」といった概念を
世代を超えて伝達するために
編みだされた人類の知恵の所産なのだとか。
原型は、とても素朴なものだったのだろう、きっと。(*^-^*)




 

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TITLE: 弥生×縄文ハーフなソース顔の場合

CATEGORY: (考察) ヤマトタケル DATE: 09/16/2016 14:03:28


もう完全に妄想なのですが、
ヤマトタケルは、
後のヤマト朝廷文化のなかでは異端だったけれども、
それ以前の先住の民の習俗的には、
ひろく認可されていた犠牲王の面影を
宿した英雄像だったのではないか、と……(;'∀')

絵づらで考えた場合には、
みずらを結った弥生顔の一面と、
縄文ハーフっぽいソース顔の一面と、
両方のルックスが想定できるのではないか、と?

ああ、幼稚園バイトの時間が
刻一刻と……( ノД`)



 

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TITLE: 王子の謎めく素顔

CATEGORY: (考察) ヤマトタケル DATE: 09/16/2016 01:17:25


兄上?とっくに丸めてポイだぜ!




なんでオレ化粧……('◇')ゞ




まあこんな感じ?


みたいなキャラ?……(;'∀')



 

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TITLE: 塗ってみました。(;'∀')

CATEGORY: (考察) ヤマトタケル DATE: 09/15/2016 13:04:43


女装の美形設定というものが、
古代においても、
現代においても、
英雄の少年時代の姿として
根強く支持されているのだろうか、
という気づきをもって、
色塗りしてみました……('◇')ゞ

すみません、下手でウンコちゃんです……(;'∀')
考察しようとアレコレ思いめぐらせつつ、
無心に色塗りしていましたら、
幼稚園バイトに旅立つ時間が、
刻一刻せまって参りました……(;'∀')

あ~何をやっているんだろ自分……orz

ヤマトタケル、テーマ大きすぎるんだな……(;'∀')
考察するなら、吹雪士郎くんぐらいが丁度いいス……orz




 

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TITLE: 犠牲王の面影(1)

CATEGORY: (考察) ヤマトタケル DATE: 09/14/2016 11:43:04


ヤマトタケル神話の中で、
幾つか古代の祭祀の面影を残しているのでは、
と感じられるエピソードがあるので、
それを書き留めておきたい。


1、オオウスとオウス

ヤマトタケルは、少年の頃オウスノミコトと呼ばれ、
兄の名は、オオウスノミコトだった。
父の景行天皇から
「朝餉に参内しない兄を諭すように」と指示されると、
オウスはオオウスの手足をもいで、
むしろにくるむと厠に転がし放り込んでしまう。
景行天皇は、乱暴なオウスに恐れをなして、
クマソ征伐の旅へと追いやった。
それが古事記に語られるヤマトタケルの姿だ。

ここで描かれる兄王子殺しには、
フレイザーの「金枝篇」で述べられていた
古代の呪術的祭祀の面影がある。

(金枝篇については、下記サイトさんが読みやすい)


交代にあたり、
弟(新王)によって手足をもがれ、
むしろにくるまれた兄の姿は、
古代欧州に伝わる穀物霊、
犠牲王のイメージを彷彿とさせる。


2、女装

クマソ征伐に旅立ったオウスノミコトは、
計略を用い(女装して宴にまぎれ、酔ったクマソタケル兄弟を刺殺)、
景行天皇の刺客としての使命を果たした。
なんというハニートラップ……(;'∀')
問われて「ヤマトオグナ(ヤマトの少年)」と答え、
瀕死のクマソ兄弟から「これからはタケルと名乗れ」と、
彼らの名を受け継ぐ。
で、その名も高き「ヤマトタケル」の誕生。

この流れからすると、
クマソと呼ばれた人々と、
ヤマトタケルは近しい位置にいて、
クマソの身内ながらヤマト朝廷側に寝返った的なイメージを
抱くのだけれども……
襲名までして、まるで王殺し&新王の誕生の場面のようだ。

このときヤマトタケルが女装に使った衣装は、
伊勢の巫女である叔母のヤマトヒメから授かった、とされる。
女装もまた、古代の神官的ではある。

さらには、イズモタケルを討った方法は、クマソのとき同様に
木製の刀と真剣とを交換して手合わせする、という
「だまし討ち」として描かれる。
たやすくだませる程に相手の信頼・親愛を得られる
ヤマトタケルという人物は、よほどの
優男だったのかしらん……(;'∀')

古事記全般を読んでみると「身内の裏切り」がとても多い。
少年の女装、計略による王権交代、
伊勢の巫女の援助……
なかでもヤマトタケルの物語には、
神話的でもあり、政治的でもあるエピソードが並ぶ。

そういえば、北欧神話の雷神トールも女装している。
知略に長けたロキの入れ知恵によって、
金星女神フレイヤの身代わりとして、
宿敵である巨人族に花嫁姿で近づいたのだった。

ヤマトタケルが祀られている
愛知県の熱田神宮には、
「熱田大神(クサナギノツルギ)の化身した楊貴妃が、
玄宗皇帝に日本侵略を思いとどまらせた」
という伝説が残る。

剣(軍神)も美女も、どちらもが金星神の面影であった。
金星の神は、新しい日の出を導き、平安の日没にも現れる。
ときに少女に化身し、ときに武勇でもって
ヤマト朝廷の王権を拡大していった
ヤマトタケルには、
古代の金星神の面影がいくえにも宿っている。







そして以下、何点か、ヤマトタケルの物語の特徴を
考えようと思ったのだけれども、
一回分のブログではまとめきれない気がする……(;'∀')
後日、何度かに分けて考え続けていきたい……


3、水葬

穀物霊

オトタチバナヒメ
タケイナダネ

4、野焼き

焼き畑
火伏せ

5、タブー

月の穢れ
剣を置いていく(もともとは熱田の剣?)
神の名を明かして馬鹿にする

6、死と再生

白鳥と雪山

7、仲哀天皇は、西の国をイメージできなかった
その父のヤマトタケルは、土着の英雄?







 

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TITLE: ヤマトタケルの迷宮

CATEGORY: (考察) ヤマトタケル DATE: 09/02/2016 18:54:33


ここのところ、迷宮にはまっている。

おぼろげにイメージは浮かぶけれど、
それを言葉で考えようとすると
もつれた糸玉状態に……(;'∀')

こんがらがってる要素を並べると、
その1として、
熱田神宮
村雲町
石仏町
金山
尾頭(古称うとう)
内々神社(うつつじんじゃ)
といった地名・スポットの類……
ヤマトタケル伝説に近しい地名が
色々……尾張地方にありますね。(;'∀')
そして剣にまつわる伝説。
中世には尾張鍛冶の発祥の地として栄え、
刀のツバを熱田神宮に奉納していた「金山」の地。
聖徳太子の使者の皇子が、山賊に殺されたという
不穏な言い伝えが残る「石仏」の地。
ヤマトとは和して同ぜずの気配も漂う、古代の尾張。

それから、かなり飛躍するけど
「ウトゥ」って、メソポタミアの太陽神。
前から気になっていたけれど、
ウツクシイとかウツツとか
ウツシヨ、ウツスなどの言葉、
宇都宮(ウツノミヤ)といった地名、
はるか古代に大陸から伝播していた
太陽神「ウトゥ」の名残りだったりして……
宇都宮市の周辺(鹿沼市)にある
古峯神社は、ヤマトタケルが祀られ、
コブガハラ様とも呼ばれる。
メソポタミアの太陽の男神ウトゥは、古来は
蜘蛛の3姉妹の女神だったともいう。
(運命の織姫の3姉妹っぽかったのかしらん)
コブは、九州地方では蜘蛛(クモ)の古名。
太陽神「ウトゥ」を想起させる地名とクモ、
ヤマトタケル伝説がなぜかセットになる。
「アメノムラクモノツルギ」を想起させる名古屋の村雲町。
「クモ」の語が含まれる。
熱田神宮のそばに残る地名「尾頭」の古称は「うとう」。
尾張の一宮市の「内々(うつつ)神社」は、
ヤマトタケルが義兄弟の
タケイナダネの水死を悲しんで創建したという。
日本列島には古来、
太陽神「ウトゥ」への信仰が伝播しており、
その後に別の太陽信仰が上書きされたのではないか、
ヤマトタケル伝説はその神々の狭間にあるのでは?
という、妄想……(;'∀')
ヤマトタケルの父である景行天皇には、
「九州へ遠征して土蜘蛛の一族を討った」
という伝説が残る。



その2として、
道教を信仰していた天武天皇、
その後代に編纂された古事記・日本書記、
それら朝廷文書に記録された
景行天皇
ヤマトタケル
タケイナダネ
ミヤズヒメ
といった神話伝説のヒーロー・ヒロイン……
どこかしら、大陸由来の英雄伝説を想起させる。
なんとなく、ヤマトタケル=軍神である明けの星・金星神(白鳥シンボル)とか
タケイナダネ=豊穣神・死んで水に漂い、木に流れ着く太陽神オシリス
ミヤズヒメ=断夫山古墳など「永遠の乙女で母なるイシス」や月神アルテミス
なんというか、異国っぽい。
土くさくない。
地名の由来譚や、タブーを伴う登場人物の行為、呪術的な展開などの
描き方が、どこかしら上から目線で理屈っぽい。
まるでエジプトの古来よりの農民の信仰を語りつつも、
その生活を軽蔑し、より象徴的な秘儀を礼賛し、知性や理性を説く
ギリシア神官プルタルコスみたいだ。そんな目線……
エジプトの神「オシリスとイシスの秘儀」を記した紀元1世紀のギリシア人。

秘儀宗教は、紀元前3世紀から紀元3世紀頃まで、
ギリシア・ローマ・エジプト・地中海世界で大流行した。
星座・恒星・黄道・惑星などへの信仰も含んでいた。
死と再生に関する密儀を伝えていた。
中国大陸では、たぶん道教・陰陽道などの形で隆盛した。
7世紀の日本で、天武天皇は、道教の影響を強く受けた。
その時代以降の権力者の遺跡には、たとえば
キトラ古墳の天井に天文図の壁画が残されている。

3世紀以降、ローマでキリスト教が国教となり、
絶大な権力をもって異教を排斥した。
その圧力を逃れた地中海文明の継承者たちが、
シルクロードを通って中国へ移ってきても不思議ではない。
彼らの密儀宗教の流れが、やがて日本に
最先端の知識として影響を与えたとしたらどうだろう。
ヤマトタケル伝説は、土着の呪術的な信仰を
異国の密儀宗教や神話の色彩で塗り直した、そんな文学だとしたら?

天武天皇より後の時代に編纂された
「古事記」において、
ヤマトタケルは、蛮族の英雄の面影を残しつつ、
朝廷に従う悲しみを背負っている。
物語としては綺麗に「悲劇の英雄」でまとまっている。
ときには抵抗勢力だった、先住する人々の土着の信仰を
ヤマトタケル伝説で
綺麗にまとめて丸めてぶっちぎった感じ……?(;'∀')



その3として、
古事記の物語中の
天皇や豪族の名前が
帯日子(タラシヒコ)
ってのを眺めていたら、
なぜかうっかり
「黄道帯の太陽の子」って
読めてしまった……
ヤマトタケルの父王の景行天皇は、
古事記では、
「大帯日子淤斯呂和氣(オオタラシヒコオシロワケ)」と
その名を記されているのだけれども、
大きな黄道の太陽の子のオシリス(ウシル)の分霊、
ってうっかり目の錯覚で
読めてしまった……妄想も極まれり。(;'∀')

下記はウィキペディアの「景行天皇」についての
記述より。


景行天皇(けいこうてんのう、垂仁天皇17年 - 景行天皇60年11月7日)は、『古事記』『日本書紀』に記される第12代天皇(在位:景行天皇元年7月11日 - 同60年11月7日)。和風諡号大足彦忍代別天皇(おおたらしひこおしろわけのすめらみこと)・大帯日子淤斯呂和氣天皇(古事記)。常陸風土記には大足日足天皇。播磨風土記には大帯日子天皇、大帯日古天皇、大帯比古天皇。日本武尊(やまとたけるのみこと)の父。
「タラシヒコ」という称号は12代景行・13代成務・14代仲哀の3天皇が持ち、時代が下って7世紀前半に在位したことが確実な34代舒明・35代皇極(37代斉明)の両天皇も同じ称号をもつことから、タラシヒコの称号は7世紀前半のものであるとして、12,13,14代の称号は後世の造作と考える説があり、景行天皇の実在性には疑問が出されている。記紀の記事は多くが日本武尊(やまとたける)の物語で占められ、残るのは帝紀部分のみになり史実性には疑いが持たれるものの、実在を仮定すれば、その年代は4世紀前半かと考えられている。


景行天皇の「景」って、
そういえば「景教」を連想させる。
「景教」とは、
ネストリウス派のキリスト教のことで、
やっぱりローマのキリスト教から異端として
排斥された一派。もしかして、
だから中国にまで信徒が移住してきたのかな……(;^_^

キリスト教に排斥された
ヘレニズム世界の知識の体系は、
黄道12宮を用いたホロスコープや、
月・太陽や惑星の暦などに基づき、
天上と地上とが照応する世界観を持っていた。
なかでも太陽は重要視された。
黄道とは、太陽の通り道。
黄道帯は、獣帯とも呼ばれ12宮に分割されて、
中国では、十干十二支の暦・世界観へとアレンジされた。

景行天皇の
「大帯日子淤斯呂和氣天皇(古事記)」という和名、
「帯」を「黄道帯」とみなす記事はないものかと、
ネットで検索したら、
下記のホームページが見つかった。
膨大な内容……(;'∀')
パーリ語(サンスクリット語の庶民版)と
漢字と
英語的ニュアンスとでもって、
日本語の由来を考察している。

そして、タラシ(帯、足)は、
獣帯・星の運行をあらわす表現だと指摘。

同じことを考える方がいらっしゃってうれしい。(*^-^*)
(でも、あまりに膨大な内容なので、
少しずつ読んで参考にしてみたいです…)



北山嘉 氏
「日本書記および万葉集と南方仏教経典との比較研究」






 

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TITLE: コブガハラさま(その2)

CATEGORY: (考察) ヤマトタケル DATE: 01/20/2016 15:43:21


コブガハラ様とかフルミネ講とか呼ばれる
信仰・風習が、関東・東北に広がっているのだという。
有名なコブガハラ様は、
栃木県鹿沼市の古峯(フルミネ)神社で、
各地の講から参拝者が訪れるのだという。

各地のコブガハラ様の「講の内容」を
幾つかのブログ記事などから拾い読みすると、
古くから付き合いのある近隣の人々が、
回り持ちで役を引き受けた世話人の家や、
神社(たとえば山頂にあったりもする)に集まり、
お札を頂いたり納めたり、
飲食をともにして、和気あいあいのひとときを過ごす、
そんな年に一度の行事らしい。
また、「本山=栃木県の古峯神社へ詣でる」といった
「お伊勢参り」に似た信仰も、
各地に残されているという。

こうした伝統行事を受け継ぐことによって、
近隣の地縁・血縁のつながりが
ずっと途切れず保たれていくのだろう。
また農閑期を利用した聖地への巡礼的な
観光旅行の意味も兼ねてきたのだろう。

この「講 コウ」というカタチを考えると、
古今東西の部族社会における宗教・信仰の
シンプルな「ひな型」とは、
こんな「素朴な集い」だったのではないか、
という気がしてくる。

たとえば新約聖書「イエスの山上の教訓」について。
あの逸話だけ読めば、
「不思議なイエスが山を登る後から、
魅せられた群衆がついていき、
天国について語るイエスの言葉を聞く。
昼食時に手ぶらの弟子たちが困っていたら、
イエスの祝福のもと
籠いっぱいのパンと魚が出てきて、
その場の誰もがおなかいっぱい食べることが出来た」
という、まるで
「食べ物が無限に出てくる魔法の器」的なお話。
この魔法を行ったのは神の子イエス、
という文脈が印象づけられる物語である。

でもこれ、もともと人々が営んでいた「講」に
イエスが講師として呼ばれ、講話した光景だったとしたら?
「山上の聖地」に人々が酒や食べ物を持って登り、
宴を催す「コブガハラ様」的な古来の信仰に、
イエス信仰が上書きされている、
とは考えられないだろうか?

現代の東日本の地域社会で、いまだに続けられている
「講」の風習。
とあるブログさんから拾い読みした
「山上に世話人が酒を担ぎ登って、集まった人々と宴を催す」
「コブガハラ様」「フルミネ講」の情景に、ふと
これは、もしかしたら
古代中東地域にまで連なる信仰のカタチ
なのかもしれない、と
そんな気がしてきたのだった。
そして妄想ついでに書き留めておくと……

「食物が尽きず出てくる器」の伝承。
中東のイエスの「魚とパンの籠」でもいいし、
北欧の神ダグザの「魔法の大釜」でもいい。
その器によって、死者がよみがえり、食物が湧き出てくる。
これって……
今でいったら「東北の芋煮会」の「大鍋」のこと?
「東北の芋煮会」とは、
収穫の季節、秋祭りの頃、
祖先への墓参りをする「秋分の日」の頃の行事です。

地域の自治会や子供会が主催して、
大きな大きなお鍋で
美味しい芋煮(お肉とお野菜たっぷりのケンチン汁)を
大人も子どもも参加して調理、
みんなで戸外でお食事会を開いて、
集まってきた方々にふるまいます。
冬が訪れる前の秋の日を、
みんな笑顔で戸外で過ごし、
美味しいものを分け合って食べて、
元気に遊ぶ。

案外、古代から伝わる「魔法の器」も
そんな身近な形で、現代に受け継がれていたりしてね?

引っ越して、
今は遠くなってしまったけれども、
さんざん芋煮会やらお餅つきをした
信夫山のふもとの緑地公園がなつかしい。
福島市の信夫山にも
古峯(コブガハラ)神社が鎮座し、
その本体は巨岩洞窟であり、
ふもとの地区の火伏せの神として
いまも信仰されているのだという。

そして古峯神社にゆかりの深い
ヤマトタケルや天狗の伝承も、
きっちり信夫山の周辺に残されているあたり、
やっぱり東北は伝説の宝庫……と実感。

これだけ素材がそろっていて、
ちっとも料理できないとは情けない……
ね、シノブくん。



 

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TITLE: 神宝と一発逆転劇

CATEGORY: (考察) ヤマトタケル DATE: 01/20/2016 11:44:36


神話について思うこと……

古事記のヤマトタケルの物語などを
思い浮かべると、
今どきのアニメやマンガに近い感性で
描かれているのでは……と
感じる部分がある。

科学的にどうだ、とか
文化人類学的にどうだ、とか
歴史考証がどうだ、とか
の難しい話ではなくて。

単純に絵づらを思い浮かべて、
サマニナル、カッコイイ
という点で、
記された日本神話と、現代日本アニメ・マンガの
感性が近いのではないかしらん……

ヤマトタケルが東方へ遠征したとき、
荒れ野へ誘い出され
四方から火を放たれて絶体絶命。
そのピンチに取り出したのは、
剣と火打石。
神剣で周囲の草を薙ぎ払い、
火打石で迎え火を起こして、
迫りくる炎から身を守り、
逆に相手に火勢を仕向ける、という。

巫女に授けられた神宝による
一発逆転の構図。

ほとんど「遊戯王」だよね。
切り札による大逆転。

上から見下ろした構図で、
ぐるっと剣で草をなぎはらうヤマトタケル。
ぐっと近づいた視点で、
火打ち石の火花が小さな閃光となってキラキラ。
迫りくる大火、緊迫する手元、
小さな迎え火が、やがて勢いを増して、
大きな火の壁を押し返し、相手に向かってほとばしり
逆転の炎へと変わる。

こういう情景は、きっと言葉や文字よりも、
アニメにすると華やかに伝わる。

なんとなくではあるが、
「日本の書き記された神話が、
すでにある異国の神話テキスト等をもとに、
日本の風土になじむよう翻案された世界観なのでは」
と時おり思ってしまうのは、
こうした映像性(?)とでもいうような、
俯瞰した視点を感じるから、かもしれない。

信仰や巫女的な幻想による口承の神話世界ではなく、
まるで映画監督が撮った神話物語、のような。
なんというか、
ハイブリッドでキッチュな
……そんな感じ。

そして、
その下地となっている、
日本古来の信仰というのは、
神話として文字化はされていないけれど、
各地の地名や神社名、風習として残されているのでは?
というのは、もうほとんど私の妄想なのだけれども。

火をもたらすと同時に火伏せの神でもあった、
はるか古代アフリカ発祥で
ユーラシア大陸・アメリカ大陸にまで及ぶ、
人類の歩みとずっとともにあった
文化英雄の面影……

ずいぶんとあいまいな妄想……

ま、でも(汗×汗)
たとえば古代エジプトの太陽神(と同時に冥界神)の
オシリスが、
現代日本の漫画やアニメ・ゲームの「遊戯王=アテム」に
アレンジされる。
神話って、ファンタジーって、
そんな曖昧な魅力を持ったものだから。
そして、その作り手(エンターティナー)達が
いつの世にもいるわけだと思うと。
ココロモチ茫洋。



 

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TITLE: ヤマトタケルと白鳥

CATEGORY: (考察) ヤマトタケル DATE: 04/01/2015 11:31:27



古事記のヤマトタケルは、その死後、白鳥となって墓陵から飛び去ったという。
日本では、白鳥は冬に飛来し、春に飛び去る。

ヤマトタケルは、伊吹山の山神の降らせた雹にうたれて病み傷つき、死に至った。
山神は、白い蛇とも白い猪とも伝えられるが、凍てつく冬の象徴だろうか。

世界各地の神話では、白鳥は春の使者だったり、美と豊饒の女神のシンボル、あるいは豊饒の雷神の化身だったりする。

ヤマトタケルは、尾張の地の妃ミヤズヒメに「たかひかる日のみこ」つまり太陽の王子と詠われ、呼びかけられている。対になるミヤズヒメは、夜の美しい月を象徴としているのだろうか。

クサナギノツルギの巫女であり、月のさわりのある日に太陽の子と結婚した(一夜妻であり子どもはいない)、というミヤズヒメの神話の描かれ方は、太陽神の双子で、弓を携えた乙女でもある月神アルテミスを、どこか彷彿とさせもする。

ヤマトタケルは、霊験あらたかなクサナギノツルギをミヤズヒメのもとに残し、白い野生の神の雹に、命を落とす。が、白鳥として墓陵から飛び立つ。
冬に敗れて死に、春によみがえる太陽の子、光の神であり、
豊饒の女神からの助力を受けて輝かしい英雄へと成長するが、やがて滅びる人の子でもある、というヤマトタケルの姿。
こうした英雄像は、
枝葉をそぎ落として物語の骨格だけを考えれば、
たとえば遠く、ギリシア神話のヘラクレスや北欧神話のバルドルにもどこか似ている。

渡来の普遍的な英雄譚を下敷きに、和風にアレンジして描かれたのか。
あるいは、日本列島の各地で、
古来より信仰されてきた天地創造にまでかかわる野性的な英雄像を
アレンジして描かれたのか。
知るすべもないが、さりげなく描写されるヤマトタケル物語には、
神話の要素として、様々な面がからまり、面白い。

海を越えて飛ぶ白鳥は、どのようにして春を知り、進路を知るのだろう。
神話の昔から、営々と空を渡り続ける、その翼に聞いてみたいものだ。

人の世では、その翼に様々な神話が託されてきたけれど、
もっとも素朴な原初の物語は、
どのように、誰に語られたのか、どんな言葉で・・・と。

 

 

 

 

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TITLE: ヤマトタケル・未熟な英雄

CATEGORY: (考察) ヤマトタケル DATE: 03/31/2015 18:38:12



ヤマトタケルの物語の魅力は、
父王から戦いに次ぐ戦いを命じられ、
各地を流浪する豪胆な英雄が、
ふとみせる弱さや優しさ、そして悲しみの情だろう。

子どもの頃に初めて古事記物語を読んだとき、
白鳥となって飛び去る最期の情景が、
とても鮮烈な印象だった。

今改めて考えると、
ヤマトタケルは、完璧な英雄ではなく、
だまし討ちで手を汚し、
暴挙や見通しの甘さで窮地に陥りもする、
未熟な面を持つ風雲児として描かれている。

そして、その未熟さ・不完全さを
巫女的な女性達による助力で補われている。
まるで月の女神に愛され命を落とす狩人オリオンのように……


そういえば、
先日の夢に出てきたヤマトタケルは、
可愛い少女の姿だった……
古事記で描かれるヤマトタケルは、
豪胆さとは裏腹な悲哀の情を垣間見せるが……

たとえば、大きすぎる服を着て、
身の丈に合わない剣を抱えて、
迫りくる炎を
「ここでやられてたまるか」
とにらみつける幼い瞳……
なんてヤマトタケルの内面性をやや誇張して想像すると……
悲劇のヒーローとして応援したくなったり?
先住民にとっては、征服者なのだけれども。

 

 

 

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TITLE: ひねもすのたりのたり・・・

CATEGORY: 徒然記 DATE: 03/30/2015 23:35:21



今日は、特に予定がないので、
シノブくんのお話を書き始めようと思ったのですが、
うだうだモードに入ってしまい、自滅・自爆しました。

例によって、娘に
「だんだんひどくなる、前より下手な絵になってる」
と突っ込まれつつ、まったくそのとおりだと思いつつ・・・

桜の季節だし。
気が散る、気が散る、気が散る・・・

 

 

 

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TITLE: ヤマトタケルと蜘蛛男(2)

CATEGORY: (考察) ヤマトタケル DATE: 03/25/2015 08:33:38



ヤマトタケルとアフリカ神話の蜘蛛男アナンシとを比較しながら、
古事記の物語の特徴にそって、幾点か考えてみたい。


(共通点)

・トリックスター的(計略をもちいて強敵に勝つ、うっかりして自滅する)

     ……乱暴な少年、女装、連戦の勝利、失言や軽率さが命取りになる


・女性の助力(ヤマトヒメ、オトタチバナヒメ、ミヤズヒメ)

     ……伊勢の巫女、竜宮の姫、月の女神 など
       始原の女神の面影 ~妻アソの存在~


・文化英雄的(道具を使う、火起こしと火伏せ、農地の灌漑)

     ……クサナギノツルギ、火打石、信夫の里のオロチ退治


・水神=龍神の助力(女性を通して付与されるが、過失により失いもする)

     ……アメノムラクモノツルギ、航海運


(相違点)

・白鳥神話(北方シャーマニズム的、冬に敗れるが再生する陽光神的)

・挿入される和歌などの叙情性




(……など、大雑把に思いつくままメモしてみたが、
出来れば今後、各項目ごとに、もう少していねいに考えてみたい、と思う)

 

 

 

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TITLE: ヤマトタケルと蜘蛛男

CATEGORY: (考察) ヤマトタケル DATE: 03/23/2015 00:46:37



九州では、蜘蛛のことをコブというそうだ。
コブガハラ(古峯)という神社が、栃木県の鹿沼市にあるが、
祀られているのはヤマトタケルであり、創建者は藤原隼人だという。
隼人(ハヤト)は、熊襲(クマソ)とならんで九州系の呼び名である。

ヤマトタケルは、景行天皇の皇子で、
クマソタケルをはじめ各地の豪族を制圧するが、
転戦の末に傷つき、故郷ヤマトを慕いながら命を落とす。
悲劇の英雄として、古事記に描かれる伝説的な人物だ。

そのヤマトタケルが、なにゆえコブガハラ様として祀られるのか。
思いつくまま、書き留めておきたい。

蜘蛛(コブ)信仰というものが、古代、たとえば縄文時代あたりから
日本にあったのではないか、と仮定してみる。

人類の祖先はアフリカ発祥で、世界各地に広がったことが、
遺伝子的に、かなり解明されているらしい。
アフリカの神話には、アナンシという蜘蛛男と、アソというその妻がいる。
はるかに遠く、海をへだてて、
アメリカ大陸の神話の古層にも、老いた火の神と、その妻の蜘蛛女がいる。
もしも、人類の遺伝子の旅の途上で、
アフリカ発祥の蜘蛛の神が、古代アメリカ大陸まで伝播していたならば、
古代の日本列島に、蜘蛛神への信仰が伝わっていたとしても不思議ではない。

アナンシは、蜘蛛の姿だったり人の姿だったりする。
月の由来など、天地創造にかかわるアフリカ神話に登場し、
人間に狩りや農耕・灌漑の知恵をさずけ、雨を恵み、山火事を消したりする。
文化英雄の顔をもつ反面、ずるがしこく、かつ間抜けな失敗をする。
ユーモラスなトリックスターとして、日本でも絵本の読み聞かせや語りの場で、
今なお活躍している、とても親しみやすいキャラクターだ。
妻のアソとともに、「物語の祖」と呼ばれている。
そんな多彩でいきいきとした「蜘蛛男」アナンシの特徴と、
ヤマトタケルの物語とを、比較してみたい。

福島県福島市の伝説では、
むかし、あたりいちめんの泥湖に棲むオロチを、ヤマトタケルが退治した。
そのとき、逃げ出したオロチが岩を砕いて、泥湖の水が放流され、
豊かな信達の野が拓かれた。
オロチが海へと逃れた跡が、阿武隈川だという。

この福島市のオロチ伝説の中で、ヤマトタケルは
灌漑により広大な農地を拓いた「文化英雄」として語られている。
そして、農耕と水の神として古来より信仰の対象だった信夫山には、
古峯(コブガハラ)神社という、巨岩洞窟を祀る鳥居と社があり、
ふもとの地域では、火伏せの神として信仰を集めてきたという。

コブは、九州では蜘蛛の呼び名である。
ヤマトタケルの「タケル」とは、制圧されたはずの、九州の豪族クマソタケルから
年若いヤマトオグナ(ヤマトの少年)へと、奇しくも贈られた名であった。
名の意味を思えば、ヤマトタケルとは、
クマソとヤマトとの狭間に立つ存在ではないのか。
九州には、火の山アソがあり、偶然にもアソとはアナンシの妻の名である。
そして、九州は、ヤマトに抵抗し滅ぼされた「土蜘蛛」たちの地であった。

コブガハラとは、古代、蜘蛛神がおさめる地だったのでは……?
その古代の蜘蛛神の面影を伝えるのが、
コブガハラ様、ヤマトタケルの物語であったとしたら……?

ふと、そんな問いが胸に浮かんで、もう少していねいに、
ヤマトタケルの神話を読みたくなってきた。

 

 

 

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TITLE: コブガハラさま

CATEGORY: (考察) ヤマトタケル DATE: 03/21/2015 13:54:14



ヤマトタケルは、福島市では「信夫山と泥湖伝説」の英雄として語られる。

昔、信夫山は泥湖に浮かぶ島で、農耕・水の神として信仰されていた。
あるとき一面の泥湖に棲むオロチを、東征中のヤマトタケルが退治した。
オロチが岩を砕いて海へ逃れた跡が、阿武隈川。
泥湖の水は、岩から海へ注ぎ、豊かな信達平野が拓かれたという。

           (参照:信夫山ガイドブック 福島市発行 2007.4.1)

この伝説を知った当初、東北にとって征服者のヤマトタケルがなぜ創世の英雄なのか、不思議に思った。
古事記にヤマトタケルが陸奥に遠征した物語はない。
が、コブである……コブ(蜘蛛)が、気になる。


シノブくんの物語を考えたとき、当然ながら、
この「ヤマトタケル対オロチ」という華のある伝説が思い浮かんだ……
が、何故にヤマトタケルなのかがサッパリ理解できず、見送った。

オロチは川や海・湖の主、
しかも岩を砕いて泥湖を放流し、阿武隈川や信達平野を拓いた伝説の主体も、
実はオロチである……蛇神信仰は、汎世界的な古代宗教なのだ。

そして、信夫山には「オロチ対大ムカデ」の伝説も残るが、
類話が中国にもあり、どうやら蛇は水神系、大ムカデは光明神系らしいと、
ざっくり見当をつけてみた。

たとえば歴史的には、蛇信仰をヒンドゥ教由来・シヴァ信仰の物部氏系、
対する光明神信仰を、弥勒信仰(ミトラ教の影響を受けた仏教)を採り入れた蘇我氏系……
と、とてもざっくり対置してみた。
それが、これまでの自分なりの信夫山伝説の理解、だった……


そして、 そんなあやふやな理屈に対して、
「ふぅん? そうなの?そうかもね……そうじゃないかもね」
にっこり。(^-^)
という「まるきりオハナシな人」のシノブくんは、別次元なのだ……
そう、童話やファンタジーの創作は、別の思考回路なのだと思う。


……で、
創作にとっては、見送ったアイデアであるヤマトタケル伝説……
どうでもよいのだが、
なんだか気になる「コブガハラ(古峯)さま」なのだった。

 

 

 

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TITLE: ヤマトタケルの夢

CATEGORY: (考察) ヤマトタケル DATE: 03/21/2015 00:29:25



福島市の信夫山ガイドブックを眺めていたら、
東端に「古峯神社」という、
火伏せの神様を奉る巨岩洞窟がある、とのこと。

古峯はコブガハラと読む。コブ!
九州では、蜘蛛のことをコブという。
火伏せの蜘蛛神かしら?

調べてみたら、コブガハラ神社は、
栃木県鹿沼市に鎮座する社が有名で、
藤原隼人がヤマトタケルを奉った神社だという。
隼人……九州系の名前だ。
そして、ヤマトタケルの冒険譚にちなみ、
火伏せや海運に功徳のある神社だという。

コブガハラ様。
火伏せに海洋にコブ(蜘蛛)の神様が、ヤマトタケルですって?
彼も、古代神アソやアナンシの系譜なの?


ガラケー片手に、
Wikiでヤマトタケルについて読んでいたら、
ついウトウト……夢を見ました。

ヤマトタケルが終焉の地への旅の途中……
お伴の兵士の列もあり、一人ぼっちではないのですが、
何故かプリティーな女の子の姿。
赤い飾りのついた白い衣装の巫女さん、
アニメ調ではなく、実写ドラマ風の夢なのでした……
(*'o'*)ハッと目が覚めて、
(ΘoΘ;)いやいやヤマトオグナ(少年)というのだから、
当然ヤマトタケルは男子だよね、などとイラストを描きました。(^_^;ヾ(^_^;


夢はエンターティメントですね……この夢には続きもありました。
夕暮れ時で山中に野宿よりはましだろうと、
延々と石段を登るんですが、この石段、らせん状でして、
垂直に段差を登って山頂を目指したほうがはるかに近道だったよ、
無駄な行軍がヤマトタケルの死期を早めたね、
ああ切ない……という石段ピラミッドの情景・解説つきでした……
(注)歴史上の人物とはなんの関係もないフィクションであります(笑)

 

 

 

 

 

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