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星が
水に飛び込んできて、
魚をつかまえろ
という。
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あみで
魚を
つかまえたら、
バケツにいれて
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水にうかぶ ちいさな島の
てっぺんで星がひかる大きな木の下、
ベンチにすわって待っていると、
月の汽車が、雲をひいてやってきた。
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竜のように木をぐるぐる、
月の汽車は
ぼくをのせて、
空へ、空へ。
ひかる星、
ぼくを道案内する星、
ふたごの星。
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空のまんなか、
星の花園、白いバラ、
白い雲のお城、
とてもきれいなお姫さま。
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お姫さまが
バケツをうけとり、
中の水を
天の川にながした。
お姫さまのうでの中、
魚はすやすや
ねむっている。
ねむる魚が、すがたをかえた。
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ふたごの星がおしえてくれた。
「ののさまは、空のまんなか
毎日やすまず、うたうのが仕事」
「ののさまが天の川の水音から
作ったたてごと、魚にばけて
遊びにいっちゃった」
ののさまがうたう。
白いうでがかなでる
たてごとの音色は、
魚のみる夢かな。
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かえり道は、ゆっくり。
月の舟で、
天の川の流れにまかせて。
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バケツには、
あたらしくくんだ天の川の水と
白くひかる星のバラ。
ののさまがくれた
おみやげは、もうひとつ……
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あのうたごえ……
ののさま どちら
いばらのかげで
ねんねをだいて
はなつんでござれ
はなつんでござれ……
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またね……
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