鍵盤を失った指で
何を奏でるのか。
遠い庭、
濡れた夏草のはざまに
見知らぬ危険な小鬼らが
飛び回る…雨音のリズムで
嵐を予告しながら。
新しい星の暦が
海への道を示す。
行き先を告げぬ出航の合図、
人々は子らを連れ、急ぎ
霧深い波間に漕ぎ出す。
揺れ動く陸地を逃れて…
いまネプチューンは
本来の座に。
魅惑、混沌、漂泊、犠牲
そして救い…
嵐の神に脅かされたとき
女神は、愛児と自らを
リボンで結び、波間に逃れた。
二尾の魚に身を変じて…
苦楽の生の盃を味わえば
無限の音階が、波間を駆ける。
嵐の陸を去り、
生命以外を脱ぎ捨てた
無法者らの歌が、大洋を渡る。
深い霧の中で…
新しい泳ぎ方を学ぶのは、今
このときだ…
(2011.5より、
海王星が本来の宮・魚座に入座)
(2011/6/6)
ブログ「こちら、ドワーフ・プラネット」より
©Tomoe Nakamura 2011
|