月夜の野原の道化師は、
実った穂を手に持ち、
さぁこれから
飛んだり跳ねたり踊りますよ。
豆の色した縫い目のない僕の服、
この緑はあの世の色だと
誰かが言いましたけど、
へぇ?そんなの僕は知らないな。
僕の体は、
鳥の羽根みたいに軽いです。
カラスみたいに黒い羽根か、
それとも幸せの青い鳥の羽根なのか、
僕の踊りに意味があるのか、
そんなのちっともわかりません。
ここがどこかなんて知らなくていい、
朝日を見るまで僕は踊り、
日が昇ったら眠ります。
ちょっと奇妙なのが大切で、
何かわからない気配がそよぐ、
誰かが草むらを振り返ったら、それが僕……
(2015/4/5)
ブログ「こちら、ドワーフ・プラネット」より
©Tomoe Nakamura 2015
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