神 話 雑 記
どこから来て、どこへ行くのか
半分わすれかけ
うっかり迷子になりながらも
祖先たちは
星座を描き、宮を建て
船を作り、酒を飲み
果てない夢へと漕ぎだしては
終わらない物語を伝えてきた。
砂に埋もれた粘土板が
幾千年のときを越える。
暁の光に、誕生の喜びを
暮れゆく日に、冥界の神秘を
古代文字は問いかける。
永遠の生命の謎はとけたか、と。
終わらない問いを、伝えることで
幾千万の夜を越え
明日の朝にも日が昇ることを
人は信じてきた、ずっと・・・